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親の看取りを考えたことありますか?

ダブルケアをしていると目の前のことをこなすことに必死になってしまいがちです。

例えば高齢の親の介護をしている場合、行きつくのは「看取り」ですが、
親が亡くなるということを想像出来ますか?

最期の時までにどんな会話をしていたいですか?

最期の時、どんな言葉をかけてあげたいですか?

今は日々の生活をこなすことで精いっぱいでも、少しずつ心の準備をしていった方が親も自分自身も救われるのではないでしょうか。

介護は約10年続く

(寿命)-(ケガや病気がなく助けがなくても生活出来た年齢)=介護が必要な年数

この数式でだいたい何年くらい介護が必要か推測することが出来ます。
平均寿命から健康寿命を引くと男性が約10年、女性が約13年。

約10年は介護が必要な状態が続くんです。
そんなに長く続くのかと思われるかもしれません。

介護には様々な種類があります。

例えば食事を自分1人では食べることが出来ないから手伝う。
歩けないため車いすを押して移動を手伝う。
トイレに行けないから汚れたオムツを交換してきれいにすることを手伝う。

身体を直接触るような介護をイメージするかもしれませんが、それだけではありません。

・認知症の初期段階だと、料理をしている時に火を消し忘れてしまったり、お鍋を空焚きしてしまったり。

・足腰が弱くなり、買い物にも出かけることが出来ないから必要なものを買って届けたり。

・病院へ行く手段がないからと、車で送迎をしたり。

・1人暮らしをしている時、電話をかけて安否確認をしたり。

・年金では少し足りないからと、お金の仕送りをしたり。

・公的な介護制度を使い始めるとキーパーソンと言って、ケアマネジャーや訪問看護師など医療や福祉関係者との連絡窓口になったり。

あげきれないけど様々な介護の形があります。

そのため、負担の小さいものから大きいものまで幅広く存在し、気が付かないうちに介護が始まっていることもあります。

自分も年を取れば親も年を取る

2020年に世の中がガラリと変わりました。私の地元は東北の田舎ということもあってしばらくは帰りませんでした。

一旦落ち着いたかな?というタイミングで実家に帰った時のことです。

約2年ぶりの帰省で、久しぶりに会う両親。

グレイヘアーだったのが完全に白髪になり、顔のしわも増えていました。
なんとなく一回り小さくなっていました。

「こんなに小さかったっけ?」と胸のところがきゅっとなりました。

私が年齢を重ねれば、親も同じく年齢を重ねる。

自然で、あたりまえのことですが改めて思い知らされたような感じでした。

「親の最期」について頭をよぎる

「もうそろそろ考え始めないと」
「まだ元気だしもう少し後でもいいかな」
「でも親が亡くなるのちょっと頭をよぎる」
「まだ早いかな」

ちょっと考えようかなとふと思っても、まだ早いかなと思い返してしまう。考えたいけど、考えることが怖い。

私が親の最期を考える時に必ず思い出す叔母のエピソードがあります。

祖父の弟のお嫁さんでもう70歳を超えている方です。現役の頃は中学校の保健室の先生だったそうで、今でも教え子と交流があったり、婦人会に行ったり、近所の方とお茶のみしたりとても社交的な方です。

そのため、友人や親族・親戚のお葬式に数多く出席してきたそうです。また親族の介護や看護をして看取りをしていきと聞きました。

そんな叔母ですが私が学生の時、叔母の母親が亡くなりました。様子見と気晴らしを兼ねてお茶しに行っていました。その時の叔母は憔悴しきっていました。

「自分のことを赤ちゃん頃から知っている人がいなくなるんだよ。親が亡くなるというのはね。なにほど辛いことか。」

はっと思ったのを今でも覚えています。

私が生まれて来るまで、そして生まれて来て大人になるまでのことを知っているのは自分の両親だけ。

親が亡くなるということはそれが消えてしまうことなんだなと。
とても切ない気持ちになりました。

そんな感情になれるのは友人でもなく親戚でもない。
他の誰でもない親なんですよね。

看護師として確かに一般の方に比べて「人の最期」に立ち会うことが多く慣れていると思われるかもしれません。

しかし、自分の親のこととなると話は別です。私自身も親の最期のことを考えると、胸の奥がきゅっとしてします。

だからと言って、避け続けることは出来ません。

自然の摂理ですので、いつかはその時が来ます。
その時に私に何が出来るのか。

考えるだけでも怖いです。

私自身、年齢的にダブルケアになるだろうと思っています。

どんなケアが同時進行しているか、その時になってみないと分かりません。
それでも日々のことをこなしつつ、どんな風に過ごしていきたいか、
今から少しずつ心構えを始めていきたいです。

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