静かに去ろうとする切れ切れの雨音
指の隙間から
ハラハラと落ちていったものを
そのままとどめておけば良かったものを
甦らせた切れ切れの雨音
押し殺していた言葉が口をついて
恐れていた嗚咽に飲み込まれる
浮かんでは消え
消えては浮かぶ言葉の数々は
メロディを欲しがる頼りない詩のようで
雑多な音を剥ぎ落としていた
さっきまでの叩きつける雨が恨めしく
窓に伸びる雨粒の通り道を
爪でひっかいた
雨音は子守唄だとは誰が言ったのか
それがもし本当ならば
乾ききった髪にサテンのリボンが絡みつく
マリオネットのようにわたしも
目を開けたまま眠りにつくのだろう
#詩 #創作