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詩 月の影 詰問



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月の影 詰問

青白い月影が
目立ち始めた皺を晒す
満ち足りた夜の数々は
もう望むべくもなく
漆黒のカラスがよこす
憐れみの眼差し

あなたがいなくなってから
空っぽの鳥籠のような静かな時間に
仮縫いの服が手足を引っ掻く音がする
戸棚に溜まった白い埃は
鈍い光を帯びて
掠れてゆく口笛だけのメロディー

何度も何度も声を殺した

艶を失った髪を噛むように
望まないことを望んだのは
わたしのほう
でも

どっちにしたって憐れみは慣れっこ

月が欠けた夜に
ねえマリー
帰ってくるでしょ


#詩 #創作

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