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詩 花の吹雪く下で


桜の枝先につくほどけた花びらに
去年の花を思い出す
風の揺らぎ
いくらか水を含んだ空気の重さ
霞の切れ切れからのぞく空の色
ヒダにしまった傷のいたわり
こうしてそれらを引き連れて
来る年来る年にやってくる
積み重なった去年の花

桜の枝先につくほどけた花びらに
思いもつかない次の年の花

しばし時が止まる

ひとひらふたひら
ほどけゆく桜の木の下で
わたしはいつかの

吹雪く花の中に身を預けた


#詩 #創作

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