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詩 すすきの穂




じゃあまたねと母は手をふった
ちいさな背を折らずに歩く後ろ姿
髪染めをやめた白髪は柔らかく哀しい


これから手を合わせる時はどうか
どうか自分のことを祈ってください
母親とはどうしてもそれができないものだと
一番良く知っているのにわたしは
わたしはそう思わずにはいられない


ぴんと冴える冬の空
すすきの白く豊かな穂が風を受けてそよぎ
母の髪を思う
目に焼き付ける姿を繰り返し変えながら
まだまだだ
娘と母親のまだ道のりは遠く遠く

遠く続く



今月初旬、駅近くで見た風景。



#詩 #写真

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