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荒野を歩いて見えたもの(嵐がやってくる)に寄せて

 その人の望みとは何だろう。

 いや、言い方が少し違うかも知れない。人の望みというのは、その人の『何が』『どこが』望んでいることなのか、これが恐らく本質にかかわることなのだとわたしは思う。このあたりのことをさんざん思い知らされてきたわたしは、桃生かのこさんの作品を読んでいると「そうなんだよね」と改めて唸ってしまうことが多い。
 人は多くの願望を持つ。幸せになりたいと願う。その願望はどこからくるものなのか?無意識でいると、今まで常識という言葉で刷り込まれてきたものが願望だと、錯覚を起こしてしまうだろう。違う… わたしは違うように思う。いや、言い過ぎたかも知れない。もちろんそれらも幸せを感じる願望のひとつには違いない。けれどそこが満足すれば、本当に幸せだと感じられるのか否か。
 『本質の中の本質の願望』そういったものを意識したことがあるだろうか。心静かに内観と俯瞰を繰り返し、掘り下げてきた時に見えてきた願望。これが一体何なのか、それを知ることはとても恐ろしいことかも知れない。なぜならば、場合によってはそれまで持っていた価値観を、ぶち壊すことになるかも知れないからだ。本質の願望というのは、そういった類のものだとわたしは思っている。ぶち壊した挙句、荒野のようになった世界を歩くことで見える新しい、いやもともとあったとしても気が付いていなかった世界。そこに本質の願望があるのではないか?と思っている。

 桃生さんの書かれた『嵐がやってくる』からこちらを読んでいただきたい。

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この文章を読み始めた途端。
わたしは久しぶりにほろほろと、ほろほろと
涙が出て止まらんなったとです。

もうなんかもう、涙がつぎつぎ溢れて止まらんとです。
大きな悲しみ嘆きとともに、
わたしはひとりで生きてゆくのだな。ゆくのだよ。ゆくのだ。
と新たなに覚悟をした。というような朝だった。


そしてわたしは今日を生きる。
生きることになっている。そう自分で決めている。
決意を固くしているわけではないが、
なんとなく生きてみたほうが良いのだと思っているような気がする。
せっかくここまでナントカカントカ生き延びてきたのだから。

たとえ、倒れて起き上がる手助けが得られなくとも、
起き上がる。今日やることを、ちょとだけ、整理する。
そこから始めてみる。

万一、わたしが倒れて起きる手助けをしてくれる人が現れたならば
わたしは受け入れよう。すなおに、そのままに、受け入れる。
それでよい。

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全文はこちらを是非

https://note.mu/canokomonou/n/ne790b0b1c499

  わたしが思う本質の願望とは、自身の魂が望むもののことで、荒野を歩くように、それを捉えるのは難しいことだと思っている。

 この桃生さんの文章を読んだとき、あ、この方は見えているんだな、と思った。魂の願望が見えていらっしゃる。そしてだからこそホメオスタシスを筆頭に、襲いかかるモノと闘っているように感じた。勝手なことを、と叱られるかも知れない。それでも敢えて言うならば、繰り返し問いかけなければいられないはずだ。本当にここを進んで良いのか、と… そしてその答えもまた、自分が探さなければならない。何かに触れて、何かを感じ、繰り返し自分に答えていかなければならない孤独な作業であるはずだ。それがビシビシと伝わってくる。
 お国言葉が使われ、ひと言ひと言を安堵の涙の余韻の中で、自分に言い聞かせるようにして綴られているように感じた。感情を、抱きしめてあげたくなるほど、切なくなるほど見事に言語化されていらっしゃるのではないだろうか。後半に散歩のシーンがある。言葉とは裏腹に、丁寧に呼吸をしていらっしゃるのだろうなと感じた。少し深く吐く、ゆっくりと。

 魂の願望を叶えるための道を、安穏と歩ける人がいたとしたら、それは稀なことだろう。
わたしも模索を繰り返し、願望の破片は見つけたように思っている。叶うのは、まだまだ先の話だ。そして、それが叶ったらその先に、ある夢を抱いている。どうかすると、諦めそうになるわたしの夢。わたしも目指したいと、改めて思った。

 何をわかったような、そう言われかねないような、桃生さんの記事に対する感想を書いてしまった。そもそも他者の書いた文章を読んで、その内面に触れるのはおこがましいことだと思う。間違った解釈をしているのかも知れない。けれど、わたしは感じたことを素直に外に出したいと思った。何故だろう…何故か…
最後に、先程触れたわたしの夢を記して、この記事の筆を置くことにする。


 『わたしが人生を終える時、歓喜を携えて、じゃあねと彼岸から手を振りたい』


最後まで
ありがとうございました

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