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マウイ、なんとかしちゃう

半神半人だと言うマウイ。ディズニーの「モアナと伝説の海」の、あの人懐っこそうなキャラクターです。
ハワイ、タヒチ、サモア、ニュージーランドなどポリネシアの神話に登場します。

創造主イオが神々の階層の最上位に位置し、天空の父ランギ、母パパがいて、森の神タネの娘であり妻でもあるヒネ・ヌイ・テ・ポが夜と冥界の女神になったそうです。
このヒネ・ヌイ・テ・ポの孫がマウイのようです。

少しずつ内容が違ってもマウイに関する大筋は一致していて、創造神話に一部かかわってくるものの、ストーリーとしては、文化起源神話という位置付けのようですね。

暗い夜にウンザリ→ 空に星を貼り付ける。
住める場所確保→ 地面を海底から釣り上げて島にする。
夜との時間的バランスをとりたい→ 太陽を支配下におく。
食べられるものを増やす→火の起こし方を学ぶ。
仲間はたくさんいたほうがいい→いろんな生き物を作る。

こうしたいと思った事を何とかして、文明を切り開いたのでしょう。

天界では無く地上に暮らすマウイは、日本語で言うところの半神半人で、神とは記されていません。

『マウイは知恵を絞り旅の末に必要なものを手に入れる、愛すべきトリックスターなのだ。
そして、援助者との出会い、敵との決闘、帰還、追跡。その間における試練等は、むしろ民話と言った方がしっくりくるかもしれない』

要約したものですが、これはマウイを通して見た、ニュージーランドの先住民マオリ族の神話の考察です。

マオリ神話の昔話性について

現在のタヒチ周辺からニュージーランドに移住を果たしたマオリ族の歴史を背景に、南太平洋を漕ぎ渡った英雄叙事詩的な物語だと述べられています。

マウイはポリネシア神話の英雄ですが起源はもしかしたら、この辺りなのかも知れないですね。
ハワイの神話について以前、王家に伝わるクムリポの他にも別の話がいくつもあると書きました。
マウイ伝説もそのひとつです。
体系化されたクムリポ以外の神話は、やはり民話的要素が強いと今、思います。

そして海から大地は生まれるのです。

ポリネシア系神話においては、神が空を作ろうとも、大地を作ろうとも、それ以前に「海」はあるということです。
広大な太平洋の島々に生きる人にとって、海は神を超える存在としてあるのでしょう。
父以上に父、母以上に母、そして神以上に神として。

最後にマウイの死について載せておきたいと思います。

ポリネシア神話マウイについて書かれているWikipediaから引用します。
(いくつか資料を見たが、大体同じだった)

マウイは永遠の命を得るため、祖母であるヒネ(ヒネ・ヌイ・テ・ポ)の体内に入り込む決心をした。父は、彼女の口には鋭い歯、膣には石の歯が着いているから危険だと話したが、マウイは意志を翻さず、光るイモムシに変身した。そしてヒネの膣へ入ろうとしたところ、それを見たマウイの友人でもある鳥たちが笑い出したため、事態に気付いたヒネに膣の歯で砕かれてしまった。

だそうです 笑





#ポリネシア神話 #note神話部 #コラム


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