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海岸でぼーっとして

夫は二度の海外赴任を経験している。
いずれもイギリスで二度目の時は単身赴任だった。そこを拠点にヨーロッパ各地への出張を繰り返した。

「ハワイのオフィスだったら良かったのに」
わたしがそう言うと(ハワイ大好きだから 笑)
「リゾート地に赴任すると、日本に帰って来た時に順応するのが大変なんだよ」と言った。

2、3ヶ月に一度、夫婦で房総の鴨川に一泊旅行をするようになったのは去年の秋から。いつも同じホテルを利用している。
オーナーはきっとハワイのハレクラニに憧れたんだろうな。
きっとそうだと確信するような空間があちらこちらに用意されている。嬉しくて仕方ない。


こうやって水平線ってやつを見ていると、どうでもいい事とそうじゃない事が互いに意地の張り合いをしながら、やがて水に溶けるように消えていく。
それはとても心地よい感覚だ。
あ〜やっぱり海はいいな〜とつくづく思う。ノースショアのサンセットビーチじゃなくても。

そこで思う。
たまに来るから、そういう感覚がどうしようもなく癒しになると。何日かすれば泣きたくなるくらい雑踏が恋しくなるに決まってる。もう少し若い頃なら、キリキリするような刺激とか。

夫の言葉とは意味が違うし、やっぱり一度はハワイだったら良かったのにな〜なんて、今でも思う。けれど行く事と暮らす事は違うのは当たり前だもの。

どっちが良いかとか、そんな話じゃないんですよ。
わたしはどうしようもなく都会っ子だから。すえた空気に安心するおかしな感覚を持つ人間だから。

だからこうやってたまにぼんやり海を眺める時間を持った時は、好きなだけぼんやりと眺めていたい。
これはとても贅沢でありがたいことだと、つくづく思う。

それにしても今回夫が食べたこの金目鯛。立派過ぎるよ。


朝食は、ケアリーレイシェルの歌声の中でアジの開きと納豆ご飯。それもまたよ・き・か・な


#エッセイ #海

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