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薄陽さす


昨日、母の日にはまだ早いものの、ちょっとした贈り物を持って実家へ行った。
今年92になる母は活発で、あらかじめ予定を聞かなければ居るかどうかもわからない。
妹家族が同居してくれているが、末の姪っ子も既に大学生。母と妹とわたしで静かな昼下がりの時間を過ごした。
最近は昔ながらの喫茶店が少なくなったといつもの口癖を言うと、最近母は話を聞いて欲しいと頼まれて、知人とコ◯ダ珈琲でかなりの長居をしたとの事。出禁になるよと妹が笑いながら話す。
ならば言わねばと、わたしは得意顔でルノアールを推した。
次からそうすると、わたしの言葉に飛びついた。

母は軽い血圧の薬を飲んでいるものの全てにおいて調子が良く、朝夕近所を早歩きする事で血圧も120を保っていると自慢げに話す。
それでも介護施設に入るようになったら、どんな所がいいかしらとも言い始めていた。
本心なのだろう。

知り合いからいただいた大量のそら豆の皮を妹と剥き、軽く塩茹でにして持たせてくれた。

きっとこの人はたいして人の世話にならずに旅立つだろうと思いながら実家をあとにした。

「また来るね」と、言いながら。



曇りがちな日の少し陽のさした時間。実家の玄関先にて。


#花テロ #徒然 #エッセイ

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