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散文詩 花散る



たった一輪が残るのです。
他の花は短い日々を染め上げて、ものも言わずに散ってゆくというのに。
たった一輪だけが残るのです。
落ちてゆく姿を見せたいただひとりを待っているかのように。

天真爛漫を装って、ただ無邪気に振る舞い続けた意味を知って欲しいと待っているのかも知れない。
散り際が美しいなどと、やめてくださいね。
残して欲しい姿は、きっとそれではないのですから。
来年また会えると人は言う。でもそれは少し違いましょう。
それは次の花。

風が吹いてきました。
一輪の桜は、どんなふうに見えていますか。



🌸で繋いだ投稿。神話部、写真、コラボ。今回の散文詩がこの春の桜、『一応』の花納め作品でございます☺️

#詩 #散文詩

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