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2020年10月の記事一覧

詩 ふることのふみ

詩 ふることのふみ



ふることのふみ

花は饗し
月はしじまを守り
我が身はいかなる場所に向かうのか
火は導き
禁じられたいとなみは
やがて喜悦の中で目を閉じる

鳥は大空を自在に泳ぎ
呼応した魚が跳ぶ
我が身はいかなる場所から出でるのか
水は流れ
まことの誓いは
我欲を引き連れ昇華する

閉じてゆく物語の懐に
血肉をわけた言霊をいただき
水面にうつる月のごとく
磨かれた銅の鏡にうつる一切は
ただひとつの我が身とな

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詩 お母さんの「ごめんね」

詩 お母さんの「ごめんね」

目を塞ぎ耳を塞ぎ
押入れの中で
すり切れた縫いぐるみと遊んでいる小さなおんなの子

もうそろそろ出てきましょうよ

お母さん
こんなにも無理のない
穏やかな空を
いつか一度は見てみたかった

あなたの娘と
あなたの娘の娘の頭に置いた手が
何度も何度も滑り降りて

ごめんね

本当に必要なのはその言葉じゃないとわかっていても

小さくなったあなたの背中は
いずれわたしも辿る道

お母さん
こんなにも

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