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2017年9月の記事一覧

生まれる

生まれる

夜が明ける少し前
夜と朝の間に

生まれ変わる

漆黒の海から
横たわったまま
静かに浮かびあがるように

深く切り込まれた
傷を癒し
赤い血は巡り直し
呼吸を覚え
生まれ変わる
こころが意思を取り戻し

今日の生を歓ぶ

夜明けを迎え
無垢な生を携えて
その一歩を踏み出す時

懐かしくも新しい
大地が見えるだろう
空が見えるだろう
照らす陽が見えるだろう

巡る時間の中で

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どさくさに紛れて

どさくさに紛れて

友達にちょっと頼まれごとをして
その時、どさくさに紛れて絵を描いて貰った 笑

以前投稿した
くちびるに歌を乗せて
という詩のイメージで描いていただきました

貰った絵はモノクロ
それを加工してみました

どさくさ紛れって、いいもんだな〜〜(*☻-☻*)

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『くちびるに歌を乗せて』

夢は焼け落ち
荒野が残った
なぜここにいるのか
わからないままに

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安堵

安堵

澄んだ黒に沈む
不確かな罪悪

むくむくと頭を擡げる刹那
白い羽が
押しとどめ
封じ込め
まとい続けた
無垢な嘘

解放は自らの渇望だと知り

傷ついた罪悪と
痛んだ羽に
手を差し伸べる
ふっと楽になる呼吸
初めて正視できた
鏡の中のわたし

目頭から落ちる

安堵

白昼夢

白昼夢

昼下がりの公園
ベンチに座り
噴水を見ていた

ハラリと落ちた木の葉が
水面を踊る

少しずつその姿が変わり
やがて

白と紺のボディを持った船になる

いつか見た船
女王陛下の名前をいただく船

急に思い出したかのような
昼下がりの白昼夢

さんざめく貴婦人の笑い声

スマートに手をとる殿方

バンドのリズムに合わせて

軽やかなステップ

いつか見た船

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見たことがないから

見たことがないから

交差点のすぐ近く
大きなビルのウィンドウに
わたしの姿を見つけたの

すぐ隣にいる人
そう、あなたにも見えるでしょ

わたしもあなたが見えるわ
ウィンドウの中のあなた

同じかしら?
どお?
同じ?

だってわたしは
わたしの顔を見たことがないから

何かに写る顔しか
知らないから

同じ?

少し首を傾げたり
ちょっと口角をあげてみたり

同じ?

わたしはわ

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くちびるに歌を乗せて

くちびるに歌を乗せて

夢は焼け落ち
荒野が残った
なぜここにいるのか
わからないままに

怖れるものは
なにも無かった
ただ夢を喰って
生きようとしていた

誰も知らない世界の片隅
足元に落ちる
踏みつけられた一枚の枯葉

さあ帰ろう
わたしの住みかへ
持っているのは
一枚の枯葉と冷えないこころ
ぼろぼろの体は
これ以上傷付きはしない

さあ帰ろう
わたしの住みかへ
生きる草を踏まないように
くちびるに

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