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読書感想文の書き方#モデル文

 こんにちは。今日は読書感想文のモデル文を作ってみたいと思います。中学教員なので、2000字以内で書いてみようと思います。テーマとなる本はシンデレラです。教育関係者の方で、このモデル文いいなと思ってくれましたら、授業等で使っていただいて結構です。(コメントいただけると嬉しいです)書き方については前回の記事を参考にしてください。

だいぶ面白おかしく書くつもりです。
では、本文へどうぞ。

心の美しさを磨く

 私は清掃の時間が嫌いだ。やる気のないクラスメイトとそれに怒る学級役員や先生たち。毎日同じことをやっていて、よく飽きないと思う。こんなの、怒られないようにやることをやってればいいだけなのに、わざわざこんなことで波風を立てる必要があるのだろうか。別に真面目にやって褒められるわけではないが、面倒ごとを起こしたくない私は黙々と教室を掃いていた。教室を掃きながら、この時間が早く終わればいいのにとずっと思っていた。
 図書館で「シンデレラ」という本を手に取ったのは、そんな時だった。表紙にはきれいなドレス姿の女の人とみすぼらしい服で掃除をする女の人が描かれており、そのアンバランスさが気になったから手に取った。読んでみると、シンデレラは継母や義理の姉たちにいじめられながらも一生懸命に家事をこなしていた。なんとなくシンデレラの姿が私と重なった。怒られないように息をひそめて掃除をする姿。別にやりたい仕事ではない。だが、やらなくてはいけない仕事。そんな仕事をただただ、やらされる。そして、シンデレラにも私にもだんだん腹が立ってきた。なんでこんな仕打ちを受けなくてはいけないんだ。クラスにはふざけて掃除をさぼる人もいる。なぜ、シンデレラや私だけが真面目にやっているんだろう。なんだかだんだんとばかばかしくなってきてしまったのだ。しかし、私とシンデレラは同じではなかった。シンデレラはそのあと魔法使いの助けを得て、舞踏会に行き、王子様と結ばれた。ハッピーエンドになっている。まさか、みすぼらしい女性とドレス姿の女性が同一人物だったなんて思いもしなかった。では、私はどうだろう。毎日清掃をして、報われることがあるのだろうか。王子様があらわれることはあるのだろうか。
 そんなことを考えながらも私は清掃を毎日続けていた。腹は立つが、それで自分もさぼろうと思えるほどの勇気はなかった。清掃分担は先生の一声で変わり、私は黒板掃除になった。黒板掃除は簡単そうだけど実は大変で、黒板のチョークを消すだけでなく、雑巾で粉を拭く必要があった。今まで黒板なんて目も止めなかったけど、黒板はいつもきれいだった気がする。誰が掃除してくれていたのかもわからなかった。「私だけ」だと思っていたけど他にもきちんと清掃していた人がいたのかもしれない。
 清掃分担が変わってしばらくしてから、清掃分担を元に戻してくれと男の子から声をかけられた。私は面倒ごとを押し付けられるのかと思って嫌な気持ちになりつつ、理由を聞いた。それは意外なものだった。
「いままで、みどりが教室をちゃんと掃いてくれていただろ?清掃分担が変わったら、ちゃんと掃いてくれないから床の雑巾がけがゴミだらけで大変なんだ。変わってくれたら助かる。」
正直、私は驚いた。自分がやっている清掃を見ている人がいると思っていなかったからだ。いままで、真面目にやっていたことがちょっと報われたような気がした。そして、周りをみてそれに気づける彼を尊敬した。私は自分ばかりが損をしているように感じていたけど、彼や前の黒板掃除担当など、頑張っている人は他にもいるのだ。それに気づかされた体験だった。
 それからの私は清掃にいつも以上に力を入れるようになった。ふざけている人を注意することはまだできないけれど、清掃を頑張っている仲間がいることを知ることができたから、自分も頑張ろうと思えるのだ。シンデレラにでてくる魔法使いは、シンデレラの努力を知っていたから魔法をかけてくれたのだと思う。私に声をかけてくれた男の子は私にとっての魔法使いだった。私の頑張りを認めてくれて、声をかけることで魔法をかけてくれた。私はシンデレラみたいに綺麗なドレスを着るわけでもないし、王子様が現れて結婚するわけでもない。ただ、日々のちょっとした努力は報われることをシンデレラの話から学ぶことが出来た。これから、また「自分だけ」が頑張っているように感じたときは私の心の中のシンデレラに話しかけるようにしたい。「周りにも頑張っている仲間はいるよ」「自分を見てくれている人はいるよ」と。そして、綺麗なドレスを着なくたって、内面が美しくあればいいのだと思う。決してシンデレラも報われたくて頑張っていたわけではないと思うから。いつか王子様が私の前に現れるかはわからないけれど、自分の心を磨き続けたい。

あとがき

 上記の読書感想文で1800字弱です。原稿用紙に書くと、ちょうど5枚くらいだと思いますが、どうでしょう?なんだか、夢見がちな痛い女の子になってしまった気がしますが、それはそれで生徒が盛り上がればいいかな、と思って書きました。(太宰治の『女生徒』を何となく彷彿とさせます)反省点としては文学的文章になりすぎたことと、シンデレラとの関連性が薄くなってしまったことですかね。あまり、お手本にはならなかったかもしれません。ただ、シンデレラでも書けるよ。という検証にはなったかと思います。
 せっかくやるのであれば、教員も生徒も楽しい活動にしたいですね。


では、また。

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