No.8 一級建築士製図試験について ~その2~
製図試験の課題発表
毎年、学科試験の前日または2日程度前から製図試験の課題が発表されます。学科試験の前に見る必要はあまりありませんが、学科試験の後は自己採点結果にかかわらず、製図の勉強を始めた方が良いです。
もしその年は、学科で落ちたとしても、一級建築士を取るつもりがあるのならば、絶対に製図試験をいつかは合格しないといけません。
なので、できるだけ早く製図試験の勉強を始める必要があります。
特に最近では学校ではCADやBIM・3DCGばかりで手書きの図面を書く機会がとても少ないと思います。私も大学では手書きの図面を数回書いただけで、製図についてはほぼ0からのスタートだったため、かなり苦戦しました。
私がした製図練習
まず、作図時間を1時間半・2時間・2時間半・3時間で練習しておき、本番の残り時間に合わせて選択できるように練習しておきます。
出来ればエスキースまで終わらせて、作図時間に3時間残してある程度きれいに書きたいですが、残り1時間半しかなくても書けるという自信をもっておくと精神的に楽です。
実際にエスキースに3時間かかるとかなり厳しくなるとは思いますが、もし本番でそうなっても採点の土俵にのれるという安心感は大きく、その安心感があることで多少悩んでも完成できないのではないかと不安に思うことなく進むことが出来るという正のスパイラルになると思います。
また、短時間で書けるようになることは、途中でミスに気付いた時の修正にも有効でした。ミスがないに越したことはありませんが、柱の位置を間違えた、建蔽NG、後退距離NG等、それらのミスを途中で気づいたときに書き直しても完成させれるということは大事です。
結局、受かったときの試験は、大きなミスを見つけることはなく、問題文40分・エスキース2時間・記述50分・作図2時間・見直し1時間くらいの時間配分でした。見直し中に防火のマーク記載忘れ等を見つけたので、作図時間を2時間程度で済ませたのは良かったなと思ってます。
私は、ケアレスミスが多いという自覚があるので、見直しに1時間程度とりましたが、人によってはもう少し短くても良いかもしれません。ただし、少なくとも40分程度はとった方が良いと思います。
また、最初はどれだけ時間かかっても良いからエスキースのいろんなパターンを考えた方が良いです。
同じ問題を3回解くのもパターンの引出しを増やすためにとても効果的です。その際、全て違うスパン・屋外階段有る無しなどすでに書いたパターンと異なる形状で書きます。2回目くらいだと1回目より早くかけたりしますが、3回目まで行くとかなり時間がかかると思います。もし、3パターン以上すんなりかけるのであれば、かなり引き出しが多いと思いますので自信をもって良いと思います。
製図練習パターンおすすめ
私が覚えておいてよかったなと思う製図のパターンを以下に書きます。
・6mスパン用の周り階段
・屋外階段
・6mx7m、7mx7m、7mx6m、6mx8m、8mx6m、7mx8m、8mx7mの階段・便所
・ピロティ駐車場が出そうな場合は8.5mスパンも一度は書いておいた方が良いです。
ホテル・集合住宅の問題が出る場合は、
・6mx7m、7mx7m、7mx6m、6mx8m、8mx6m、7mx8m、8mx7mの部屋
(シングル・ダブル、1K・1LDK・2LDK等)
買った方が良いと思う製図道具
・バンコの三角定規
・自分のお気に入りのペン
0.3mm、0.5mm、0.7mm、1.2mmを1~2本ずつ
1.2mmは時間がない場合に壁等をシングルラインで引けるように用意
・ペン型の消しゴム
少しでも誰かの参考になれば幸いです。