見出し画像

カルチャーショックを乗り越える!その2

みなさんこんにちは!NYの音楽家、英語コーチのみどりです。

前回の記事ではカルチャーショックの5つの段階のうち第1段階であるハネムーン期について私の体験を書きました。今回は第2段階であるDistressと、第3段階のReintegrationについて書きます。Distressの期間は、自分の生まれ育った環境との違いに戸惑い不安を感じ、Reintegrationは新しいカルチャーの違いがネガティブなものとして映り、それがいやでいやでしょうがなくなる時期です。私の中ではその二つの期間が同時に来ていたような感覚なのですが、学術的には二つ分けて考えているので、私もそのように考えてみます。

さて、私の大学は、新しく入学する留学生にはアメリカ人の学生が入寮する一週間ほど前に留学生用のオリエンテーションが用意されており、しかもその期間は地域の方々のおうちでホームステイできるという素敵なものでした。今思えばその期間がHoneymoon phaseとDistress phaseの中間的期間でした。

そしてそこで同じ家庭にホームステイすることになった別の日本人留学生の女の子ととても気が合ったので、その一週間はとても楽しいものとなりました。その彼女は帰国子女だったので、私はホストファミリーとの会話で英語でたくさん助けてもらいました。

大学側のオリエンテーションも素晴らしくて、留学生皆を銀行に連れて行って口座を開ける手続きに付き合ってくれたり、ソーシャルセキュリティーオフィスに行ってソーシャルセキュリティー番号を申請する手伝いをしてくれたり、キャンパス内の施設を回ってくれたり、他にも留学生同士が交流できるような場をたくさん設けてくれました。あー、懐かしい。そしてありがたい。その頃に知り合った他の日本人留学生やそのほかの国から来た留学生たちとの交流は大学の授業が始まってそれぞれ忙しくなった後も続きました。

そして迎えた入寮日。寮生活が始まった時、誰かに話しかけられて返事ができなかったりしたら嫌だ、という気持ちが働いて、寮の廊下を歩くのも不安でしょうがなかったのを思い出します。こんなに自分が小さく思えることは体験したことがありませんでした。食事の時もダイニングホールで、他のアメリカ人の寮生たちはみんなそれぞれテーブルを一緒に囲んで食べていました。私も最初は頑張って参加していましたが、何せ英語に自信がなかったので会話について行けず、無理してアメリカ人との会話に入るのが嫌になり、広いテーブルで一人でポツンと食事をするのを避けるためにテイクアウトにして部屋で食べたりしていました。これがDistressに当たる期間だったのかな、と思います。

私のルームメイトはビバリーヒルズ(!)出身の、白人の女の子、そして2つ年上のジュニアでした。本当はジュニア(3年生)はシングルルームに入れるはずなのですが、それに漏れたようで彼女は私と部屋を共にすることになりました。ビバリーヒルズ出身の女の子と聞いたら想像が着くと思いますが、ものすごいお金持ちのおうちのお嬢さんだったので、派手な生活をしていました。綺麗な彼女はもちろん男の子にもモテモテで、ボーイフレンドからよく部屋に電話がかかって来てました。(携帯のない時代は寮の部屋に固定電話を繋げてそれでお互いに電話するのが主流でした。遠い目。笑)

さて困ったのが、この彼女とのコミュニケーションです。自分の思っていることがうまく話せないので、彼女にとても静かな女の子、なんでもオーケーな女の子と思われて、ボーイフレンドが入り浸る日々となったのです。やはりそれは私はいやで、彼女に言いたくても言えなくて、しばらく悶々としていました。ここでReintegration期間の、カルチャーの違いを嫌うという特徴に焦点を当てて考えてみます。

一番大きかったのが、日本人だったら「人に気を遣う」とか「遠慮する」という習慣があるので、言葉にしなくともそれは私の仕草や表情や「空気を読む」ことで理解してくれるに違いない、と思っていたことが全く通じなかったこと。

そしてもう一つ、自分のことを言葉にして表現しないと誰も気に留めてくれない、ということ。日本だったら、静かにしている子がいたり、困ってそうな子がいたりしたら、声をかけてくれる人がいるものです。アメリカ人にそういう人がいない、というわけでは決してないですが、自分から何かを発さないと気に留めてくれない率が圧倒的に高い。

こんな、一気にアメリカが嫌になった時期、とても気さくで優しい大学側の留学生専門のアドバイザーに相談するようになりました。今でも覚えています。彼女に、ルームメイトに好き勝手やられることへの不満をぶちまけて、「アメリカ人嫌い!」と言っていたことを。(今思えばアメリカ人である彼女に対して、アメリカ人嫌いって言う私の無神経さが恥ずかしいですが)彼女に不満を聞いてもらうことで癒され、勇気をもらい、私はルームメイトに「ボーイフレンドは夜は連れて来ないで」と言うことができました。そして言ったことで理解してもらえ、その後まもなく彼女はシングルルームに空きが出たとのことで部屋を出ていきました。それから私は1年生なのに二人部屋を一人で使うことになるというものすごい特典がついて来ました。笑

孤独だったな〜。では、そんな生活から私がどんなことをして自分を取り戻して行ったかと言うと、他の留学生たちとの交流を続けて行ったこと、それから一番大きいのは、日本語や日本の文化を学ぶグループに所属したことです。日本語や日本の文化に興味のあるアメリカ人が集まるところに行くようになり、そこで他の日本人留学生とも仲良くなりましたし、何しろアメリカ人との交流が深まりました。ここからはまた次回に続きます!カルチャーショックの第4段階はAutonomyです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?