見出し画像

地下鉄サリン事件の突然の区切りに、僕は言葉をなくした。

社会問題を探究する仲間たちと、夜通しアツい飲み会をした。
ヘロヘロで帰宅、ベッドに倒れ込む。
少し経って、二日酔いの気持ち悪さに目を覚ました。
今は何時だとスマホをつける。午前9時。衝撃的なニュースが目に入った。

僕は、「くそ、なんで今」って思った。23年前の事件のことではない。

7月4日に早稲田大学で開催された、早稲田大学人物研究会による講演会。
ゲストは、松本麗華さん。「麻原彰晃」の子に生まれて…加害者家族だ。
以下は、講演で、「入学拒否」を中心として振り返るなかで、僕の印象に残った松本さん御本人の言葉だ。

私はある日突然加害者家族になりました。
私のようにある日突然、自分ではどうすることもできない立場になった人は、どうやって社会に溶け込めばいいのでしょうか。
やっぱり普通に、友達が欲しかったです。だから普通の学校に行きたかったのです。でも、それは叶いませんでした。
無理を承知で、しかしあえて、がんばって、
自分が突然、加害者家族になったら、って考えてみてほしいのです。
他の誰でもない本人の言葉を大切にしてほしいです。
見聞ではなくて、直接会うなどして、嫌いだと思ったら離れてください。
(学生の質問に答える形で、『わざわざ、矢面に立つモチベーションは』)
父に私(娘)を認識させたいのです。大切な父に、認識させたいのです。
もう一つは、ある意味「最悪な(経験をした)加害者家族」として声を上げ続けたいと思うからです。
拒否や排除は「〇〇かもしれない」、よくわからない不安から始まります。
その拒否や排除は連鎖を起こし続けるのです。

冒頭で、なぜ僕が「くそ、なんで今」と思ったか。それは直前に、犯罪者だとしても、たった一人の父親への愛を語る松本さんの言葉に触れたからだ。
僕は、今回の件に関して、報道でしか情報を得る術はない。だから、自分の価値観をじっくり見つめ直す機会としてのみ利用することにしようと思う。
その情報の真偽を知ることは僕にはできないのだ。

松本さんのツイッターアカウントに寄せられた多くの言葉に沸き立つ感情を見つめる機会に、しようと思うだけであった。

皆さんはどう思っただろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?