「暗黒の5か月」のはじまり~JUNのミド活ヒストリー③



投票選抜戦2020が終わって


2020年10月4日
投票選抜戦2020が終幕を迎えた。

夏目翠プロは丁寧なサポーター諸氏へのお礼の気持ちをnoteに込められた。

Twitterには、新規参戦プロトップと女性参戦プロ第8位の“神8”入りをお祝いするメッセージで埋め尽くされていた。
だけど自分はその中に入れなかった。前回のnoteで書いた顛末があり自主的に夏目翠プロのTwitterへのコメントといいねを封印していたからである。

その頃の自分のTwitterを見ると恥ずかしくなる。なにしろ、翠プロのツイートに関するリツイートを自分のアカウントでやっていたのである。
しかし、幾らそんなことをやっても翠プロには何も伝わるはずがない。
なぜなら、私は当時まだ翠プロからフォローすらされていなかったのであるから。

第3回プロNo.1決定戦


2020年の年も押し詰まり、プロNo.1決定戦のメンバーが発表された。   この大会は、基本的に投票選抜戦の男女それぞれ上位12名づつがトーナメントで戦う大会である。スケジュールの都合などで欠場が出た場合は繰り上がり出場となる。もちろん、選抜戦女性第8位の夏目翠プロも出場する。

私はこの時まで翠プロの麻雀を見たことがなかった。と言うより見る機会 すらなかった。それもそのはず、夏目翠プロが放送配信卓で麻雀を打った ことはプロデビュー前の「女流勉強会」のみ。プロになってからはこの 「プロNo.1決定戦」がはじめての生配信対局であったのだ。

現在のこの大会は、選抜戦の順位でシードが設定されているが、この年は 全24名が一次予選に挑み2着までが勝ち進むシステムで一次予選は2卓 同時対局となっていた。

対局前インタビューの様子

夏目翠プロの入ったD卓は、和泉由紀子プロ、魚谷佑未プロ、大久保朋美 プロというメンツ。同時に行われるC卓は宮内こずえプロ、岡田紗佳プロ、
伊達朱里紗プロ、大亀あすかプロで、放送されるのはC卓の方だった。  ただ、選手紹介とインタビューは出場全選手が取り上げられて、ガチガチに
緊張した夏目翠プロへのインタビューの受け答えにこっちまで緊張していたのを思い出す。

一次予選の卓内での一番の実力者は数々のタイトルを獲得し、その年の
Mリーグレギュラーシーズン最優秀選手の魚谷佑未プロだろう。魚谷プロは試合前のインタビューで「二人抜けトーナメントは得意なので軽く突破したい」と実力者らしい強気のコメントを披露していた。

始まった対局。と言っても翠プロの戦っているD卓ではなくC卓。そのC卓が山場になった頃、先にD卓が対局終了となり、なんと夏目翠プロは和泉由希子プロと共に二次予選への進出を決めた。
実力で放送対局の機会を掴んでくれた夏目翠プロに大興奮した。

そして迎えた二次予選。相手は更に強くなって前原雄大プロ、二階堂亜樹 プロ、石田亜沙己プロ。はじめて見る夏目翠プロのリアルタイムの麻雀。
オーソドックスに非常に丁寧に打っていたが、東場から起親の亜樹プロが 大きく抜け出し、更に前原プロも続く。二人がそのまま5万点以上の点数を持って、自身1万点の3着目の夏目翠プロの南3局の親番。ここで親が流れれば現実的には勝ち上がりは非常に苦しくなる。
そんな状況でそれは起こった。

ラス目の石田プロからのリーチを受けて翠プロはリャンシャンテンの手を崩してしまったのだ。

石田プロのリーチに現物の7筒を中抜きして降りる翠プロ

解説席からも前田直哉プロが「夏目さん降りちゃった!?」と言われ、二階堂瑠美プロからは「降りちゃだめだよー。後で説教だな。」と言われてしまう。MCの襟川麻衣子プロからは「これが放送対局はじめての緊張もあると思うんですが…」と救いの手が差し伸べられるも、そのまま親が流れて夏目翠プロの挑戦は二次予選で終わりを告げた。

悔しかった。私も悔しかったが、翠プロはもっと悔しかっただろう。
私はこの時の「相手ではなく自分に負けた打牌」の反省が、三か月後の  第一回桜蕾戦ベスト8のオーラスに繋がったと勝手に思っている。

でも、私はずっとこの時の夏目翠プロの麻雀が今でも頭から離れない。
そんな気持ちもあって、翌年からの私の投票選抜戦の目標はずっと変わらずたった1つ。

「女性12位以上に夏目翠プロをランクインさせて、プロNo.1決定戦であの時の忘れ物を取りに行く、最後まであきらめない麻雀を打ってもらうこと。」

残念ながらそれはこの2020年の第3回大会以降達成できていない。
けれども、夏目翠プロが麻雀格闘倶楽部に参戦し続ける限り、ずっと私は これを投票選抜戦の目標にしていく。

いつの日か成長した「夏目翠の麻雀」をあの舞台で私たちに見せてくれる ことを心待ちにして。


そして、私のミド活にとって“激動の一年”とも言える2021年が幕を開けた。