読書メモ『おいしいごはんが食べられますように』最日小#17
昔読んだマイケル・サンデルの正義論を思い出した。
たしか正義の拠り所として大きく3つを上げていた。ひとつは「幸福」、もうひとつは「自由」、最後の一つが「美徳」だったはず。
このうち「美徳」は共同体に支えられているものなので、共通のこれ!という基準みたいなものがない。その「美徳」がどう作られてどう維持されるかの議論は忘れてしまった。
この小説の中の「おいしいごはん」というのもまさに共同体に支えられている美徳のひとつで、自分もすっと受け入れてしまう側の人間だけど、よく考えたら別に生きていくために「おいしい」ごはんをありがたがって食べる必要はないし、その美徳を他人に強いる権利もない。
一歩こういったマジョリティの「美徳」から外れた人にとって、その共同体の中に生きていくのがいかに難しいかというのがテーマなのかなーと思った。
舞台はゴリゴリにドメスティックな日本の企業内の(そこまでドロドロしてないけど)うっすらめんどくさい人間関係なのだけど、自分にとってはあまりハマらないものだった。というのも自分はそういう場所が嫌で早々にドライな業界・会社に転職したクチなので。
あと「おいしいごはん」も好きです。ただ会社で自作のお菓子配る人は苦手。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?