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英語が苦手でもあきらめないためのHow to 努力

2023年4月14日からETHGlobalというイベントが東京で開催されていた。ちょうどコロナも落ち着いてきていて海外からのGuest、ハッカソン参加者も日本に多く来れたようで、複数のサイドイベント含めとても盛り上がっていた。
私はサイドイベントの一つ、Plurality TokyoというとてもNiceな会に、個人で参加している山古志DAOについて話すPanelistとして呼んでもらえた。
Globalのイベントなので基本的には公用語は英語、私が出たPanel Discussionも英語で行われた。Plurality Tokyoでもちょっと立ち寄った虎ノ門のメインイベントでも主にみんな英語を話していて、やっぱり最近の若者は英語が当たり前にしゃべれるんだなー、よい傾向だな、Japan教育がんばったなーと思っていたところ、おそらく私の登壇を見たであろう人のこんなTweetを目にした。

これを見てはっとした(あと超嬉しかった、私のことじゃないかもしれないけど勝手に喜んでおく)。もしかして、イベントで楽しそうに英語でしゃべってる人たちは英語が得意な人たちで、英語で苦しんでいる人は引き続きいっぱいいるのでは・・・?
そうだとしたら英語が超苦手な私が引き続きダメダメながらもどうやって努力しているかを共有することは10人くらいの人の役に立つのでは?と思いこのnoteを書くことにした。

限界を感じつつPlurality Tokyoで英語でPanel Discussionしているワイ

「多言語を習得する才能」は存在する(と思う)


古くは18か国語を話せたシュリーマン、私が人生で出会った人たちでもUSで育って日本に帰ってきた友人、外資系企業で出会ったちょっと海外に住んでいただけで英語ペラペラになって帰ってくるやつ、bitFlyerで出会った日本語、英語、中国語がほぼNativeなやつなど、「多言語を習得する才能」は確実に存在していると思う。
たぶんこの人たちは他国語を学習することが好きだし、社交的でどんどん他国語話者としゃべるし、好きだからどんどん上達し、上達するのでさらにコミュニケーションし、また上達するという正のループに入っている。
よかったね、おめでとう、Global社会の適合者。
一方でそうじゃない人たちは、これ系の人たちと同じように話せるようには決してならない。ならないんですよね、残念ながら。

私が英語で苦しんできた歴史

私は日本の公立の小中学校、国立の高校、大学出身者で英語はテスト科目としては全然苦手ではなかったけど、特に集中して勉強はしていなかった。
海外に初めて行ったのは確か大学2年生のときだ。アルバイトでお金を貯めてトロントに英語の勉強のため短期滞在した。その時ユダヤ人のおばあちゃんの家にホームステイさせてもらい、超下手な英語で、「私は経済学部なんだけど留学して勉強したいんだ!」と言ったところ
・お前の英語力で学べる経済学なんてない
・大事なのは言語ではない、何を学ぶかだ(私の子供も医者と弁護士だ)
とおばあちゃんお手製の薄味の豆のスープをいただきながら怒られた。
それもそうだなと思い、それ以降は英語は特にがんばらず、専攻していた統計学や数理ファイナンスを勉強していた。
で、外資系証券に就職したのだが、入社前の英語のConversationテストみたいのでこいつ英語できなさすぎだろ、ということになり、入社前にバンクーバーに2週間行って英語を勉強することになった。当然2週間で英語力が向上したりはしない。入社後の夏のNY研修も内容がほとんどわからなかった。グローバルの各国オフィスから新入社員が集まっていたものの、海外オフィスの友達も一人もできず、夜は一人でずっと漫画を読んでいた。
そんな状態だったが、投資銀行部門のデリバティブストラクチャリング担当者として使う英語はほぼテクニカルタームなので、お前の英語は赤ちゃんがしゃべってるみたいだなと言われつつも仕事上はそこまで英語に困ることはなかった。(一緒に働く人たちは困っていたかもしれないけど。)
しかし、10年目くらいの時にロンドンにLeadership研修みたいなのに行かせてもらえたのが地獄だった。日本人は私一人、いつも仕事で英語で話しているのはImplied volがどうとかCDSがどうとかなのに研修ではそんな話題はなく、全員が超早口で何かしゃべって笑っている。IcebreakingということでMonopolyみたいなゲームをみんなでやったけど、ルールがわからない私は圧倒的な最下位だった。この辺で英語に対する苦手意識がピークに達する。

あまり効果のなかった学習

私が働いていた外資系証券会社では、だいたいみんな英語ができたので、私のように英語落第生には英語レッスン(週一回30分先生としゃべるやつ)が義務付けられていた。これは全然効果がなかった。英語の先生との共通の話題が全然ないのだ。「仕事の時間を奪われる無駄なやつ」と思って過ごす30分はとても苦痛で、全くこれでは上達しなかった。
bitFlyerに入ってからも毎週土曜日には英語教室のグループレッスンに行っていた。ここではみんながちょっとずつ喋りながら、先生に正しい英語に訂正してもらっていくような形で学んでいた。いくつかのよい点(後述)はあったけど、やっぱりこれですごく上達することはなかった。

今やっている学習(Audible、Podcast、めっちゃ準備してしゃべる、ルー化など)

今英語で困ることがないようにするため意識的にやっていて効果があるような気がするのは以下の5つ。

①Audibleを聞く

めいろまさんが進めていたAmazonの英語の本の朗読、Audible。私は通勤中(チャリ)などにMichelle ObamaのBecomingを聞いている。Michelle Obamaの朗読はすごく聞きやすく、内容も分かりやすいのでこれを聞いていると正しい英語が話せるような気分になる。

めいろまさんは他にもいろいろAudibleをお勧めしていて、Obamaに飽きたらいろいろとこの中からも選んでみようかなと思っている。

②自分の専門エリアのPodcastを聞く

SpotifyのPodcastでBanklessとCoindeskについては新しいのが出たらできるだけ聞くようにしている。この二つは自分が一番興味がある分野について話してくれているので聞き流しても内容が理解できるので英語が話せるような気持になる。

③めっちゃ準備してしゃべる

私は職歴的に英語が問題ないと思われることが多い。なので英語での登壇や、英語でのMeetingを依頼されることが結構ある。これについては「はい全然問題ないっすよ!」と答え、可能な限り準備して臨むようにしている。
プレゼンがある場合は全スクリプトを事前に書く。想定QAも考えて想定回答を書く。その際にあれ、これってどう言うんだっけ、この単語ってなんだろうと思って調べてよい言い回しを見つけた時とかは結構気に入って身についたりする。

④ルー大柴化する

前職のBossもそうしていたのだけど、日本語でしゃべってるときもとにかく英語にできるところは英語にする。(相手にとって失礼にあたらない限り)
あと、英語話者がやってる相槌などは積極的に取り入れてみる。たぶんめっちゃうざがられているが気にしない。

⑤英語で会話が行われそうなご飯会には行ってみる

英語のプレゼンを行った際などめっちゃ準備しているので「こいつそれなりに英語できるじゃん」と錯覚していただける場合があって、そこからのつながりで英語話者しかいないDinner会などに誘っていただけることがある。
10人くらいまでのDinnerがおすすめ。日本人だと10人程度のDinnerだと3-4人のグループができてしゃべることになるけど、英語話者会だとだいたい一人が3-4分スピーチして、みんながそれに対してOpinionを述べていく形になり、自分もしゃべらないといけなくなる、これは結構勉強になる。

(番外編)英語教室に行ってよかったこと

週に1回土曜日に通っていた英語教室では、先生がこれは役に立つし覚えてほしい!と思っていた文法と、以下を英語を学びながら読み込んでいく/見ていく学習はとても楽しかったしここから身についた英語表現も多いように思う。

Wait but Why: TechnologyやScienceに関するすごく面白いやや長めのBlog。

In a nutshell:主にScienceに関するInfographicを使った動画

こう書いてみると、結局自分が興味を持てる分野からの拡張でしか英語の上達には繋がっていないように思う。本当に仕事でしか英語を使わないと、定型のやりとりしかなくなってしまうので、共通の興味、ベースがある人、グループと会話する機会を設けるのが陽キャじゃない人にとってはよさそうな気がしている。

ロールモデルは勇気をくれる

先日Fintech協会さんが主宰するイベントで、大変光栄にもマネックス松本大さんとご一緒させていただいた。大さんはゴールドマン・サックスで最年少パートナーになられ、現在もマスターカードで社外取締役を務められている方だ。絶対に英語がキャリアの支障にはなっていないはずだ。でも、実際に
大さんと英語のpanel discussionをやらせていただくと、必ずしも言語に才能のある人の喋り方ではなかった、panelの途中で「あーこれなんだっけ英語で」とか仰るし、発音も超Nativeではない。でも話す内容は抜群に面白く、会場で何度もAudienceの爆笑を誘い、雰囲気をすべて持って行っていた。ポルトガル出身の方も一緒にパネルで喋ったのだが、私が聞き取れない部分も大さんは100%聞き取っていらっしゃった。(そして何度も助けてくださった)
同じ会には伊藤穣一さんもいらっしゃったのだが、Joiさんはもう完全にNativeでお話を伺っていてもたぶん思考回路からEnglish Speakerなので途中で何を仰ってるのかわからなくなる。でも大さんが言っていることは英語でも完全に理解できる。
私は頑張ってもJoiさんにはなれないけど、もしかしたら大さんは目指せるのかもしれない。そういうロールモデルを見つけることはとてもencouragingだと感じた。

AIの時代に英語が大切だと感じる理由

DeepL、ChatGPTのおかげで日本語で文章を書いてから英語にするのはとても簡単になった。逆も然り。言語は英語に限らずもはや非同期コミュニケーションのハードルにはならないと思う。
それでもなんで英語が必要かというと、人間は語り部に魅力を感じるのが太古の昔からの生物としての性質で、やっぱりリアルの場でのCommunicationが人を魅了する上で、人を説得する上で重要なのだ。
Plurality Tokyoでも落合渉悟さん、主催者のTakaくん、Hal Sekiさんなどにはロックスターみたいなかっこよさがあった。それは彼らの操る英語のかっこよさに多少なりとも関係はあると思う。
私をはじめとする英語できない勢は、彼らに対してとても憧れる、たぶんこれからの世界を動かしていくのはこういう人たちなのだ。
残念ながら言語の才能がない私たちはたぶんこれからの時代のロックスターにはなれない、なれないんだけど、やっぱりせめて努力はしていきたいし、大さんは十分英語でもロックスターだったから、もしかしたら努力の果てにはいいことがあるかもしれないよ。

ETHGlobal Tokyoで英語というインタープリター言語に打ちのめされた人は結構実は多い気がするので、才能がなくても一緒にがんばっていきたいです🔥私も引き続きルー化しながらチャリでミシェルオバマを聞きつつがんばります。


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