椎間板ヘルニアのこと

 初めて椎間板ヘルニアと診断を受けたのは2020年の5月か6月頃だったと思う。症状としては右の脛、右の臀部に痛みがあり、整体に何度か通ってみたが一向に良くならなかったので、知り合いの紹介で整形外科に行ってみた。

 レントゲンを撮った上で、症状としてはヘルニアの可能性もあるから、MRIを撮ってみましょうとの指示。その結果、椎間板ヘルニアとの診断を受けた。ひとまず、薬による保存療法と牽引のリハビリで対処するとの事で、週に2~3回、整形外科のリハビリを受け、3か月くらいで痛みも引いた。

 ただ、その後も半年に1回くらいの頻度で、腰痛が発生し、そのたびに薬で何とかごまかして、牽引のリハビリも週1~2回くらい通っていた。

 そんなこんなで2023年8月頃。これまでは右側に出ていた症状が変わり、左の脛から足先にかけて痺れと痛みが発生した。どんな時に起こるかというと、駅のホームで電車待ちの為に立っていたり、トイレで用を足す際に立っていたりなど、特定の行為をする際に左足の脛から足先にかけてビビビビビッと痺れと痛みが起こる。

 すぐに整形外科へ。前回のMRIを撮った時から3年経過しているので、改めて撮りなおしましょうとのことで撮った結果、左側に症状が出るような状態になっているとの診断。

 まずは前回同様、保存療法で試してダメならブロック注射ですと言われる。ブロック注射がどんなものか知らないけれど、聞くだけで痛そうだし、何とか薬で治ってくれと祈りながら薬の服用を再開。

 朝起きて今日は治ってるかな、と何度思ったことか。

 1か月程経過し、痺れが治まる気配がまったくないので、薬を変えて欲しいとお願いをして出された薬が全くあわなかった。どうあわなかったかというと、頭がふらふらして、吐き気があり、しまいには嘔吐してしまう。

 もう薬も頼りにならなくなり、いよいよブロック注射を打つことになった。人によっては1回で治まることもあり、3~4回やってみて効かなかったら手術しかないですとの話。

 紹介状とMRIの結果を握りしめ、いざペインクリニックへ。どんな感じだったか表現が難しいが、注射液が入っている時、おしりから足先にかけて「ズーン」という鈍い痛みがあった。(注射自体は5分もかからず、割と短い時間で済んだのはよかった。)

 注射後、10分程横になり、看護師さんによる血圧と酸素濃度測定。これで痺れがなくなっていますようにと祈りながら、いざ立ち上がる。が、残念ながらすぐに痺れが発生。1回でダメでも回数を重ねれば治るかもと言われていたので、すぐに気持ちを切り替えて次回の予約をする。

 その後、2回通ったが、残念ながらまったく効き目がなかった。その旨、ペインクリニックの医師に相談したところ、1か月程続けてみましょうとの提案があった。まったく効き目がなく痛い注射を続けるのは嫌だと思い、整形外科の医師にブロック注射の効き目がないことを相談。

 もう最後の手段で手術しかないということになり、医師がその場で大学病院の初診の予約をしてくれた。大学病院というと白い巨塔のイメージが強く、教授の総回診とかあるのかな、なんて馬鹿なことを思ってしまう。(結局、テレビドラマみたいなシーンは一切なかったのだが。)

 紹介状とMRIの結果をもって大学病院へ。担当の医師は割とドライな感じではあったが、説明は分かりやすく悪い印象は受けなかった。

  症状が発生してから3か月経過し、その間、保存療法、ブロック注射も試しても効果がないとすればあとは手術かな、とかかりつけ医と同じ話をされる。手術以外にヘルニコアという方法もあるけれど、自分の場合だと腰椎と腰椎の隙間が狭く、効果が望めないらしい。積極的に手術を進めてはこなかったが、こちらとしてはさっさと痺れとはおさらばしたいので、是非にとお願いをし、翌月内視鏡手術をすることが決定。手術の費用は約8万強とのこと。あと追加でベッド代だったり食事代等。

 手術の1週間前に術前検査のため病院へ。レントゲン、尿検査、血液検査、身体測定諸々を受け、入院の手続きを行った。なんだかんだで全部終わるまで3時間くらいかかった。

 入院のスケジュールとしては、手術前日に入院。手術翌日からは状況を見てリハビリを行い、6日目くらいに退院予定との説明だった。退院日に関しては術後の経過によるためあくまでも予定とのこと。

 入院初日。看護師、麻酔科医、薬剤師、担当医等から入れ替わり色々と名説明を聞いたり、同意書にサインをしたりした。初日は説明を受けた後は何も予定がなかったので、レンタルした寝間着に着替え、テレビを見たりスマホをいじったり本を読んだりとだらだらと過ごす。

 夕食の際看護師より、翌日は手術のため絶食となり、今日の夕食後から翌朝9時までにOS1を3本を全部飲み切り、それ以外口にできない旨伝えられる。翌日一気に三本飲むのも大変そうだなと思い、寝る前に1本半飲み、残りは翌朝に飲むことにした。

 入院2日目。手術はお昼過ぎとの案内があった後、体温、血圧測定、採血等行う。

 手術間近になると、看護師から手術着に着替えるように言われる。その際、T字帯と着圧靴下を履くように指示があった。初めてのT字帯なので、どうやって付けたらいいか分からず、少々慌てたがネットで調べて何とかなった。

 手術のお迎えが来て、看護師と一緒に手術室へ。名前や何の手術をするのか確認されたのち、いよいよ手術台。心電図?みたいなのを付けられ、自分が緊張していることがバレてしまった。これまで入院すらしたことがなかったので、そりゃ緊張もする。腕に点滴の針?みたいなのを刺してもらい、もうすぐ眠くなりますからと告げられた2~3秒後に意識がスコッと落ちた。

 意識がもうろうとした状態で起こされ、手術が終わった旨を告げられる。
これが取ったヘルニアです、と見せられたものの、頭がクラクラしていてそれどころではなかった。

 その後、病室までストレッチャーで運ばれ、ベッドに移してもらった。血栓予防の為、両足の太ももから足先にかけて自動で圧がかかる機械を付けられ、口には酸素マスク。身動きはほとんど取れない状態になる。

 次第に麻酔が切れてきたからなのか、傷口の痛みと吐き気を感じるようになった。その旨、看護師に伝えて、点滴で対応してもらう。痛みやら吐き気やらでこの日はうまく眠れなかった。

 ちなみに、尿道カテーテルを入れられている為、排尿は管を伝って、ベッドのしたの袋に溜まっていた。
 
 入院3日目。朝食から食事を再開。吐き気も治まり、絶食明けの食事はかなり美味しく感じた。ただ、傷口の痛みがあるため、体を起こして食べるのが結構大変だった。

 昼前に体拭き。尿道カテーテルを抜いてもらったが、これがなかなか痛かった。そしてこのタイミングで初めてベッドから立ち上がり、痺れがないことを確認できた。歩くのが不安だったため、歩行器をかしてもらい、トイレへ。カテーテルを抜いたときに傷ついたのか、排尿の時に血が混じり、痛みを感じた。この痛みはその後2日ほど続いた。

 その後、リハビリの先生がきて術後の様子を話したり、歩行器を使って廊下を一周したりした。本格的なリハビリは次の日が日曜の為、翌々日からやってみましょうということになった。

 入院4日目。日曜日の為、検査等なにもなかった。

 まだシャワーはかかれないが、体拭きか洗髪かどちらかできますとの事だったので、この日は洗髪をお願いすることに。二日ぶりに頭を洗ってもらえて大変気持ちよかった。

 入院5日目。午前中にリハビリの予定が入っていたが、まてどもリハビリのお迎えが来ない。見回りに来た看護師に尋ねたところ、こういうことはよくあるそうで、リハビリルームまで案内してくれた。リハビリはどのくらい足が上がるのかの確認や歩く速度を測ったりして、最後は10分程エアロバイクをこいで終了。

 その後、担当医が術後の経過を確認し、ドレーンを外してくれた。もう歩行器なしでも難なく歩ける旨を伝えると、退院は今週末かなと言ってきた。当初の予定では翌日に退院で聞いていたから、まだ入院させられるのかと愕然とした。

 しかし、担当医とは別の医師が再度訪ねてきて、退院できるならすぐに退院したいか聞いてきた。さっきの医師とは言ってることが全然違うが、こちらとしても早く帰りたい旨伝えると、翌日退院で手続きしときますとのこと。二転三転したが、こちらの希望がかなってよかった。

 夜、最後の抗生剤の点滴が終わったタイミングで、点滴の針を抜いてもらった。

 退院日。朝食を食べ、看護師が会計の書類を持ってくるまでダラダラし、10時ごろ退院。


 とりとめもなく、だらだらと書いてしまったが、以上が初めてのヘルニアの手術までの体験記である。この体験記は術後1カ月のタイミングで書いているが今のところ症状の再発はなく、問題なく生活をできている。ただ、医師からは、今回とは別の箇所にもヘルニア予備軍はあるからということなので油断はできない。




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