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デンマーク滞在中に感じている日本にもほしい3つのもの【=時間・信頼・共有ビジョン】

デンマークにいながら、ずっと日本の社会と学校のことを考えている。

参加メンバーのみんなや、
コーディネーターのさわひろあやさんと、
ずっと日本のことをしゃべっている。

デンマークだって楽園ではないが、
「これは日本にもほしい」と切実に思うものがある。

それは、時間、信頼、共有ビジョン。

①時間

「自由時間・自分時間・市民としての時間」がデンマークでは明らかに長い。

4時に仕事を終えた後は家族や大切な人と過ごしたり、コミュニティ活動に参加する。ホリデーが多く、長い。

図書館には多くのボランティアグループがあったが、それが機能するのはみんなが時間を持っているからだ。

時間は民主主義を回す重要なリソースだ。対話や交流、コミュニティへの参画や貢献は、基本的には時間がないと生まれない。

日本の社会にも学校にもいっぱい課題があるが、「忙しい」「時間がない」は根本原因の1つなんじゃないかと思っている。

デンマークは経済も回っている。
(ちなみに仕事上のプレッシャーやストレスも低い)

なぜデンマーク人には時間があって、
日本人にはないのか。
(日本にはモモの時間泥棒がいるんだ...と思う。)

いろいろ理由はあるかもしれないけれど、その鍵のひとつは「信頼」だと思う。デンマーク社会は基本的に信頼ベースで動いている。

②信頼

例えば...
・図書館では司書さんが全員帰った後もIDカードで鍵を開けて勝手に入って本を借りられる
・電車は自動改札機を通らずに乗れる(たまにチェックはあり無賃乗車罰金はある)
・上司は部下の細かい仕事のチェックをあまりしないetc

行政も教育現場を信頼して任せるし、
教育現場の人も行政はパートナーだと言う(現場を知らずに命令・管理してくる敵という感覚はない)

性善説で社会が回っている分、「チェック」に時間がかからない、「アリバイづくり」みたいな仕事も生まれない。

日本はここに膨大なリソースを割いている。

年齢や立場が違っても関係性がフラット。コミュニケーションも率直かつシンプルで低コストな感じがする。
(それでいて感じはいい)

もう一つ、日本で多くの人から時間を奪っているのが、3つ目の「共有ビジョン」がないことだとこちらに来て改めて感じる。

③共有ビジョン

図書館を含め、教育機関において大きくは「Folke Oplysning」というビジョンが、細かくは例えば「放っておいたら図書館に来ない層にリーチする」というような方針があり、それに基づいて取組が組み立てられている。

取組内容を考えるときに共有ビジョンがあるとプロセスがスムーズ。

これがないと、例えば働き改革1つとっても何を削るべきか何を残すべきかの議論が不毛な対立に陥り、傷つけあって疲れるし、納得度の低い結論になって「一体何なんだ...」となりがち。そして時間が失われる。

そういう現場が残念ながらすごく多い。
立ち返るところがないとそうなるよな...と思う。

ビジョンはトップダウンで押し付けても機能しない。議論や対話を経て、「みんなのもの」になる必要がある。もちろんそれも時間がかかる。

でも、そこの時間を最優先してとることで、長い目で見れば時間が生まれると思うし、共有ビジョンがあれば、創意工夫も協同性も生まれ、仕事は充足しやすくなる。

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