月とオムツ
「とてもとても愛してる。今夜は月が綺麗だよ」
何処にいるのか知らないが、
この言葉とともに月の写真が送られて来た。
「今は同じ月を見る事しか出来ないから・・・
嗚呼、貴女が月に帰りそうで怖いよ」
随分ロマンチックだが、
私の現状はそんなに綺麗ではない。
成人用の紙オムツを身に着け
重い腹と腰の痛みに耐えている。
私の愛する仕事は、
こまめにナプキンやタンポンを取り換えられる仕事ではないから。
私はもう長い事、ナプキンの代わりに成人用の紙オムツなのだ。
そう。今私は月のものを歓迎している。
なんだか不相応に綺麗なものを
相応に修正したくなって
「紙オムツ取り換えてくるわ」と、唐突に言った。
彼の理想に申し訳なくなって
私の現実に引きずり込みたかったのかもしれない。
「なんでこんなに愛しいのかな。
貴女が月より綺麗だからかな」
「紙オムツ穿いてるわ!」
「可愛い」
「髪の根元が白くなってる!」
「それも綺麗」
だから私は諦める。
「馬鹿みたいにキモイくらいにキザなところがイイトコね!!」
彼はハタチ。ふつーに学生。
新しい恋は彼とと決めた、月の綺麗な夜でした。
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月のものと多忙を歓迎している為、
ちょっとレスが遅れ気味、ごめんなさい。
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