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新垣結衣「ゲームしよ?」 ②

過去の自分の趣味を否定することは、肌で空気に触れ、おいしいものを食べ、寝てまた食って、夢と現実の定めつかぬ世界を見つめる今の自分の、感じるものの全てを唾棄するに繋がりかねないので、またそのことは即ち他者の感性を蔑ろにすることと同義なため口に出すのは憚られるが、生理的な反応を抑えつけてまでこの記事を書き通す、ハリのある気概を今のわたしは持ち合わせていないので仕方なく、ここでキッパリと、ひとこと言わせてもらう。

バカバカしい。

🐣「初めの194文字、全部要らなかったな」

①を執筆してから1ヶ月と数日が過ぎました。特段何か生活に変化が生じることなく、平穏でいて締まりのある1日を30と有回繰り返しました。熱意を持って、この企画に命を吹き込んだのは今日から1ヶ月と数日前。架空の小学4年生に、幾人の読者を肩に乗せた自己を同化させ、叶うことのない夢の火照りを妄想によって冷ます試みを企てたのは2024年7月の第四土曜日。7月27日をいかに捏ね回せば、わたしはあの、焼成前のパン生地を取り戻すことができるのだろう。

あぁめんどくせ。なんだこのクソ忌々しい企画,holy shit!!くだらない妄想をストーリー仕立てにする意味がわからない。妄想を論理で固めたら構想になっちまうだろ。妄想は、自由気ままに、引き出したり引っ込めたり出来るから妄想なのであって、一貫性再現性を求め出したら「妄想」の本懐が崩れ、整いのある「構想」に変貌してしまう。一度始めたら新垣結衣とおうちでゲームするまで空想に浸ることを強制される妄想って、ほんとに意味がわからない。各々が勝手に妄想してくれ。妄想に疲れたらすぐにやめたい。夢に閉じ込めないでくれ。

ストーリーとかどうでも良いから、はやく新垣結衣に会わせてください。

中流階級一般核家族小学四年生男子が、ガッキー(以下、新垣結衣をガッキーと呼ぶことがある)

🐣「その注釈面白いとおもってる?」

うん思ってるよ〜ガッキーとコネクションを得るまでの道のりが、なかなか険しい。新垣結衣とおうちでゲームすることを目標とし、達成するまでの道、イメージとしては山中の小径を、小学四年生になりきりながら進む妄想をストーリー仕立てに語る。勢いに任せて外に飛び出した本記事の初発の趣旨が、これである。

🐣「おもしろくね?」

その道をしこしこと建設するのがわたしの仕事である。そして小学四年生になりきり、心を弾ませながら、ガッキーに会えるまで道を歩くのが読者であるあなたの仕事である。

ストーリー構成の裁量は、全てわたしに委ねられている。目標達成の難易度を自由に設定することができる。故に、第一話からガッキーとあなたの邂逅を画することもできる。しかしそれでは、なんだか味気ない。またストーリ仕立てにする当初の試みが無かったことになる。では先に述べたように、中流階級一般核家族小学四年生男子が、どこに生息してるのか分からない新垣結衣を自力で探し出し、えにしを結び、星野源一家のおうちで任天堂Switchのゲームソフト「スーパーマリオブラザーズワンダー」を遊戯するといった難度Maxストーリーラインを構築するといった方向を志向してはどうだろうか。

🐣「こっちが恥ずかしいわ、なんか」

めんどくせぇ。そんな難しい設定で物語考えたくないっすわ。こちらの方向性でいくと、妄想が構想となりストーリライターとしてのわたしの気が沈み、はっきり言って全然楽しめない。読者に楽しんでもらえているのかも判別つかない。妄想を構想する鬱屈とした胸中で、読者がいかようにこの物語を楽しむか想定することが難儀である。すぐにでも、投げ出したくなる。

いまさら変えたくないので愚にもつかぬ後悔ではあるが、タイトルもまた気に入らない。

妄想start.

私の隣には、いま、新垣結衣さんがおられる。さきほどわたしの家に到着された。茹だるような夏の日差しに照らされながら、歩いてわたしの家にこられた。うなじから首筋にかけてすーっと玉の汗が流れる。新垣結衣さんが、無言で、わたしの瞳を数秒見つめる。

「ゲームしよ?」

The end of 妄想.

妄想たっのしぃ〜!

最低で最高。性癖を公言する自分を恥じながらも、妄想ではあるがガッキーに会えた喜びで胸が桃色になる。とぅんくとした濁りのない桃色である。しあわせだ。タイトルの語感も、良いな。妄想の快さを暗示できている。

問題の温床は、おもしろいストーリーラインが浮かばないわたしの頭にあるんですよね〜。

🐣「そうなんだね〜」

妄想を構想にしてはならぬ法は無い。ウキウキと妄想するわたしの模様を側から読者が見守るそして読者もつられて楽しい気分になるといった構成で、自分も読者も楽しめる妄想を文章にできればそれに越したことはない。読者諸賢が先の簡易妄想を読んでも、わからないが、楽しんでもらえないと思う。

🐣「面白かったぞ」

しかし気張って読者を楽しませるべく文体表現に趣向を凝らし始めると、妄想を構想する煩わしさから、今度はわたしが楽しめなくなる。本記事を読んでいる者の中で1番新垣結衣とゲームをしたがっているのは、疑いようもなくわたしである。わたしは、わたしを楽しませたい。

一艘の船に、巨大ハリケーンが立ちはだかる。舵を切る。進路は2つある。ひとつは、先にやったような見切り発車で欲望のまま新垣結衣とゲームをすること。その道程を、読者が如何様に楽しむかを度外視した平易な表現で言葉に起こす。ふたつは、手頃なライトノベルを書店で見つけ、登場する女性キャラクターを新垣結衣と見立て各々が勝手に読み進めること。妄想を構想する手間と煩わしさが省け、両者諸共うすく長い幸せに浸ることができる。


🐣「ちょっと書きたくなってきたな」

ひよこ?



未完

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