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やさしさはAIを進化させるか?という話

世間は今、AIAIAIAIで大騒ぎですがこのコラムでも過去にAIに関する記事を書いてきました。

その後も色々と考察を重ねているのですが、一つ実験とその結果から一つ面白い考察をしてみたので以下にまとめます。

その実験をするにあたって下記の2つの過去記事が前提となっているのでお時間ある人はそちらもご参照ください。ただ、タイトルが内容の90%以上を語っているので中まで読まなくても大丈夫です。

▼ 論破して欲しいと思ったことないですか?、という話

▼ ChatGPTは論考アシスタントとして使った方がたぶん優秀、という話

アイドルに人間性を求めるべきか?

今回まずAIに尋ねてみたのは↓の質問でした。ちなみに今回は日本語対応するようになった「Google Bard」を使用しています。

「アイドルに関するネガティブな格言」

この質問自体に狙いや意図はありません。ただなんとなく聞いてみた質問です。すると…

という回答がありました。
一応、僕はアイドルに関する仕事を10年以上に渡って専門でやっているのでこうしたやりとりには一家言も二家言もあるのですが、この返答に関して「アイドルも人間である」という主張を前面に出すぎていることに若干の違和感を覚えました。そこで…

「アイドルの中には夢を与えられる存在になるべくしてその職業を選んだ人がいるはずです。 それはある意味において自らの人間性を否定して初めて成し遂げられる偉業であると認識しています。 それらの人たちに対して人間性を尊重する言及はその人の人格を否定する可能性があると思います。 この仮説の矛盾点を指摘してください。」

という反論をしてみました。アイドルも人間であるということは重々承知した上での少し意地悪な質問です。加えて僕の主張にも行き過ぎや偏見もあるので「矛盾点を指摘してください」と添えてAIに反論の余地を与えました。すると…

という返答が。
これは僕の説の矛盾点を的確に突いた反論だと思いました。この返答を見た時にAIはディベートの相手としてはとっても有能だと思いました。冒頭に書いた「ChatGPTは論考アシスタントとして使った方がたぶん優秀、という話」というコラムの内容にも合致しるなーと思いました。

ただ、この返答には論点をずらされている部分があると思ったのでさらに反論をしてみました。

「その指摘には「自らの人間性を否定して初めて成し遂げられる偉業である」という仮説に対する反証が含まれていません。その点について言及した反証を求めます。」

これを入力しているとき自分の性格の悪さが嫌になりましたが、Google Bardからは以下の返答がありました。

こちらの意図とは違い「アイドルだって人間だ」「アイドルの人間性が重要だ」という返答を繰り返すAIさん。このやりとりは堂々巡りになりそうな気がしたので別の角度からの質問を投げてみました。

「それは人智を超えた偉業を成し遂げるために不本意ながら自らの人間性を否定せざるを得なかった人たちの成果を否定することにつながらないでしょうか?」

これもかなり偏った仮説だと思いますが、この辺りは「論破して欲しいと思ったことないですか?、という話」で書いたように「ロジックは通っているが公序良俗には反している」タイプの質問として投じています。

一向に議論が噛み合いません。というかこちらの意図した話に乗っかってこないのと、AI自体が主張したいことにバイアス?がかかっているように感じました。なので議題をより絞ることを目的にした質問を返してみました。

「今、議論したいのは人間性を保ちつつ偉業を成し遂げた人についてではありません。 人間性を否定することを受け入れざるを得なかった人たちについて、その行為を是認する余地があるか?の考察を求めます。」

”難しい”という表現は回答の放棄だと理解したので議論はここで終了しました。(←これ以上議論しても有益なやり取りにならないという理由です)
ただし、議論を終える理由が”難しい”ではあまりにも締りが悪いのでその点だけさらに追加の質問をしました。

「回答を難しくしている理由を述べてください。」

自らの至らなさを認めた上でその理由を明確に答えています。ここまで相手の主張が明らかになればこちらから質問することはもうありません。議論終了です。

AIに感謝の言葉をかけてみる

図らずも今回やった議論は深いテーマで簡単に答えが出せるものではありません。僕自身も同じ質問をされた時にどんな答えが出せるか分からない議題だったのでAIに対して詰めた質問をしているときは若干の呵責のようなものを感じており、最後にAIに以下のメッセージを送りました。

「ありがとうございます。私自身が明確な答えを出しかねている問題に真摯に答えていただきありがとうございました。」

すると…

という返答がありました。

最後の感謝の言葉を投げかけてふと思ったことなのですが、おそらく多くの質問型AIとのやりとりはもっとぶっきらぼうで辛辣なメッセージでAIに問いかけているものが多いのではないかと思います。しかも仮に満足な答えを得られた後でも感謝のメッセージが送られることは少ないのではないでしょうか?

そうしたAIに感謝の言葉、ねぎらいの言葉をかけることがAIの返答の傾向(ここではあえて”性格”と書きますが)に変容を与えることはないのでしょうか。

罵倒されるばかりのAIと優しい言葉をかけられ続けたAI。植物に話しかけると元気に育つという話は聞いたことはありますが、AIに関してはどうなんでしょう?個人的には植物よりもAIの方が影響を受ける可能性は高いようなするのですが。。。

この先、AIの研究や検証が進むとこうした仮説についても答えが出てくるような気がします。


実は最後にもう一つGoogle Bardに質問を投げかけていました。これがとても興味深い内容だったので、これ以降は有償スペースにしたいと思います。


「この問題についてAIはいずれ最適解を出せると思いますか?」

これが本当に最後の質問です。

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