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海街ヴィンテージな世界観に浸るザノット横浜 #HOTELIST

1859年の開港以降、国内外の交流を生み出した歴史的文化の街、ヨコハマ。

新しい文化と古きよきものをまぜあわせた「ザノット横浜」の海街ヴィンテージな世界観をぜひ堪能してほしい。

■ザノット横浜 ってどんなホテル?

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コンセプト
旅と街、街と人を「結ぶ」ホテル。
それぞれの旅の途中、新たなモノ・コト・ヒトと出会える拠点。
ここで見つけた「ご縁」は旅に発見と楽しみを与える。

横浜駅西口から徒歩5分。旧横浜国際ホテルを改装し、2017年12月にオープンしたホテル、ザノット横浜。横浜駅の喧騒とした雰囲気や桜木町の洗練されたシティの街並みとは隔絶された、まるで異国のような雰囲気をまとうホテルである。

ホテル名である KNOT(ノット) は「(縄などの)結び目」の他に、船の速度の単位である「ノット」を意味する他、「絆」や「縁」も持つ。

ヨコハマという歴史ある街がもつ時の経糸に、旅する人の横糸によって生まれた結び目を意味するのだろう。

■客船に見立てられたホテルに魅了される

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ザノット横浜はホテル全体を客船に見立てている。

1階には乗船受付となるロビー。沿道には横浜らしい中華と洋食を堪能できるレストランカフェ。2階、3階には社交場となるラウンジと、ハレの舞台となる宴会場が配置されている。客室は4階~10階に船室をイメージして約100室ある。

ザノット横浜を一言で言うならば「世界観に嘘をつかない」ホテルだ。客船受付をモチーフにしたロビーに足を踏み入れた瞬間、あなたはきっと特別な時間を過ごすことを実感するだろう。

エントランスの吹抜けテラスは弧を描き、まるで客船のデッキのよう。真鍮色をした華奢な直線的なライトが、空間を引き締めている。

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足元の細やかな表情豊かな大理石のモザイクタイルに、左手に見えるアンティーク調の石タイル仕上げの壁。

折り上げた格子天井は、欧米の建築技師たちによってつくられた山の手の洋館のような異国感が漂う。

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タイルと石材と木材。使い込まれた風合いに懐かしさを覚えるが、きらびやかな電球が生み出す高揚感に少し胸が高鳴る。

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知っているようだが、初めて訪れる場所。だれしもにある懐かしいものへの愛着と新しいものへの好奇。

はて、そんな感情が湧いてくるのは、私が横浜の生まれで、高校時代を過ごした勝手知っている横浜駅西口に、こんなおしゃれなホテルができてしまったからなのだろうか。

そんな思いを秘めたまま、チェックインを済ませた私は2階にむかう。

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2階のラウンジに足を踏み入れると、花と木をあわせたスパイシーなアロマ香りがふっと鼻孔をくすぐる。

そこには手工業と工業が入り混じり始めた時代を再現したかのようなロビーが広がっていた。

高級感あるヘリンボーン柄の床は、シンプルな幾何学模様が特徴で、高級感のある雰囲気になるので古くから慕われている柄だ。「ニシンの骨」を意味するヘリンボーンは、職人の技工が必要な装飾性の高く、フランスのベルサイユ宮殿でも使われたとされている。

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2階のベースカラーは1階よりもダークめのブラウンカラー。天井だけを切り取ると、年季の入った港町のバーのようだ。ぽてんとした白い照明がどこか時代を感じさせる。

宴会場は、ロビーの奥にある。

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宴会場に続く廊下の腰壁。本来、腰壁とは壁が傷つかないようにつけるのだが、ここでは単調な壁面にアクセントとして機能している。腰壁同様にモールディングされたアーチ状の垂れ壁もかわいい。

ザノット横浜は、内装からエレベーターのデザインやエントランスに立つスタッフの衣装まで、抜け目なくデザインされている。宿泊者が意識せずとも没入感をもって、世界観に浸ることが出来るホテルなのだ。

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■グレーとネイビーを基調にした船室

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エレベーターが開く。薄暗い廊下。きらびやかなロビーに反して船内を模した温度の低いグレートーンが新鮮に目に映る。まるで暗転してシーンが切り替わったかのようだ。

ムラ塗の質感のある扉をガチャリと開ける。

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この日、私が泊まる部屋がこちらだ。グレーとネイビーを基調としたしっとりとした空間。

セミダブルで12㎡。けれど、このこじんまりとした空間が船室をイメージにあっている。華やかなロビーを抜け、シックなエレベーターであがったその先にある私の部屋。

ホテルからの見晴らしがいいわけでもなくいが、それをあえて船室のイメージでうまくカバーしているところが憎い。

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小さいながらもテーブルがあるのがうれしい。夜はここで日記を書こう。

ちなみに、使われている家具はアメリカンテイストのインテリアブランド「ACME Furniture」がホテルの客室のために製作したんアイテムなんだそう。一般販売もしているので、気に入れば購入することも出来る。

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左手の壁は、青と黄身の混じり合うグレージュカラー。朝と夜とで見せる顔が違う。朝は明るく軽快な印象。夜は少ししっとりと部屋に深みをもたらしてくれる。

雨降る夜が似合う部屋だ。

ベッドサイドの丸みを帯びたランプがかわいい。

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浴室はユニットバス。部屋のグレーにトーンをあわせ、浴室もほのかに柔らかなグレーに塗装されており、鏡や照明にも客船を模したデザインのこだわりが見える。

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細やかなアメニティも、横浜の海街をイメージしたテイストで統一されている。外国文化の象徴であるレコードを模したコースターに、港を行き来した水兵帽をイメージしたストライプ柄のグッズたち。

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■ザノット横浜という舞台に立つ

ルームウェアはホテルの世界観に入り込むための大切なスイッチである。とホテル好きの私は主張したいのだが、ザノット横浜のルームウェアは特別だ。

この船室を満喫するために用意したであろうクラシックなワンピースパジャマだった。

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ホテルのエントランスから部屋まで続くこの静かな高揚感。

まるで舞台を鑑賞しているようだ。いや、もしかしたら、私は「ザノット横浜」の舞台に立つ登場人物なのかもしれない。

言ってしまえば、ルームウェアは舞台衣装なんじゃないだろうか。

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ザノット横浜では、ホテルを舞台にした「物語」を感じられる。それには没入感あるホテルのインテリアやルームウェアのようなアイテム。一つ一つが嘘がなく、そこにある必然性が担保されているからに違いない。

もし、あなたがこれからザノット横浜に行くのならば、ぜひお気に入りの小説を1冊、夜のお供にしてほしい。

とっぷりと時間を堪能するのに、ここほどぴったりな場所はないはずだ。

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