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関根愛「十一月三日」(7日目)


《今日のお昼ごはん》
かくれうなぎ川八のうなぎ

南伊豆さいごの日。滞在中は一日をのぞけば皆暑いくらい晴れて天気に恵まれた。伊東に住む父母が来てくれたのでいっしょに石廊崎へ。気になっていた石室神社も。今回で南伊豆の海の青がしっかり心に刻まれた。他の海とはおなじようで違う少しだけ心がざわっとする青。岩にあたって砕ける波はいつまで見ていても飽きず。お仕事でいらしていた町役場の山口さんにも偶然再会。お昼はかくれうなぎの川八さん。三人ともかくれうなぎを食べるお腹のスペースがないのでうな重、白焼き定食、ひつまぶし。デザートにグルテンフリーのお店perry berryさんへ。ヴィーガンのメニューもあり甘酒と豆乳のアイスやパフェをいただいた。結局滞在中五回は行った道の駅湯の花でしっかり地産の食材をお土産に、洋品店MIROでもお土産(生活必需品だけど)を買い、傾く陽射しを背に鎌倉への帰路につく。ちいさな伊豆半島の先っちょ、ひと気のない、何にもないところ。さみしさが似合うところ。そこに生きている人に生きる力があるところ。日本昔話の世界、ふしぎに青い海と川、里山の美味しい空気。塩からい温泉に毎日体を浸し、もうすぐ冬になろうとする空の満天の星を眺めた。去年の滞在は広く、時として深く、という感じ。今年は狭く、深くかな。この土地で確かに生きている人たちにアートとは何なのかをまた教えてもらった。それはまとめに書きたいと思う。ローカル×ローカルの今後も気になるし、まことさんの古民家開拓も見届けたいし、横田家にもお礼がしたいし、電気ガス水道なしで暮らすよっしーのおうちにも今度遊びにいきたいから近いうちにまた来たい。