見出し画像

戸井田雄「迷走を整理する(5日目)」

インプットと推測を重ねたので、色々と整理するためにホストのso-anさんが運営するコワーキングスペース「EAST DOCK」で1日お世話になる。

https://www.instagram.com/east_dock/

海を目の前にした最高のロケーションで、熱海での活動と今日までの稲取の体験を整理していく。

頭の中を紙に書き進めると、不思議と熱海の活動と稲取の体験が連動するところも見えてくるけど、それが自分の頭の中の希望と幻覚なのか、大事な繋がりなのかが悩ましいのは、きっと昨日の悩みの延長線上にまだいるからだろう。

なんとなくの繋がりが見えながらも、まだ整理しきれないうちに日は暮れてしまい、夜はEAST DOCKの会員さんの繋がりで、歴史に詳しい地元の方と急
遽会えることに。

その方が、昨日の飲み屋で「稲取のこと聞くなら、〇〇さんと〇〇さんかな」と言われていた形で、本当に順調にお会い出来るご縁に感謝。

昔は漁業だけでなく「みかんの輸出」のおかげで山の農家も非常に豊かだった時代があり、みかん一箱で芸者も付けて一晩は遊べたお話など、稲取の新しいお話を聞きつつ、

旅館の「おもてなしを他の温泉と差別化する」中で、「過剰な量の盛り付け」が一つの気持ちの表現方法として生まれ、それが圧倒的な量でお祝いや感謝の気持ちを伝える「げんなり」や「祝い餅」につながっている発見など、本当に良い時間だった。

(「げんなり」に関しては、一緒に滞在している町田さんのnoteを参考に添付させていただく。)

やはりどんな歴史であれ、それが事実であれば小さな痕跡や気配はまちに残るのだと思い、そうすると「稲取での歴史の気配」を探したい思いに駆られつつも、熱海の活動にこの考えをすぐに活かしたいとう、早る気持ちも疼いてきた。

また、「どんな小さな歴史でも、それが今のまちと接続すると、本当に面白い」という側面から考えると、まちを面白く紹介するためのポイントの一つには、あまり歴史や要素を「特別なこと」だと思い過ぎないことも大事なのかもしれない。

パッと面白そうなことに、「ひょっとしたら普通じゃない?」と冷静な冷や水をかけながら、それでも本当に面白いものを見つけるアプローチが、むしろ「まちの面白さ」を見つける最短距離の一つで、その自己肯定と自己否定の狭間で作り上げる行為が、ものづくり的なまち案内なのかと、ぼんやり思った日だった。

滞在も明日1日で、明後日には熱海に戻るのが決まっている中で、どこまでが腑に落とせるか自分でも楽しみにしつつ、明日は昨日資料を託された飲み屋さんに再びお伺いする夜で、最後にまた濃ゆいお話が聞けそうで、元気があれば今日行けなかったスナックもまとめて、げんなりするほどこのまちを楽しみたい。