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金暎淑キムヨンスク「三島でアップデートする!初日(1日目)」

初めまして、金暎淑(キムヨンスク)です。現代美術家として、インスタレーション作品を作っています。今回マイクロアートワーケーションの旅人に申し込んだ理由は、地域の魅力を発見し発信すること、地元の人や同じ旅人との交流、そして、特に成果発表が義務ではない事など、この事業の目的が、今の自分がやりたい事に近いなと感じたことが理由です。

私は日本生まれの在日コリアン3世であることから、これまでは国籍や民族などの帰属意識についてや、歴史と個人の関係性などをテーマに作品を作る機会が多く、また、自分が国家という属性のどこからも例外的であることから、自らを「圏外の人」と位置付けて、そういった意識の下、わりと怖いものなしで躊躇ない発信をしていました。

でも数年前から、社会情勢が変化し、コリアンである私が日本の政治批判をしたり、日本人ってこうだよねという軽く発言すると、それがイデオロギーの対立構造に当てはめて捉えられてしまうことがしばしば。。。更には相手が男性だったりすると、ジェンダーの問題も作用しているのでは?とも感じたり・・・そうなると、純粋な問題定義として話し合うことは難しくなり、私の「外国人」という属性や、「女」という属性に対しての(拒否)反応が強くなるように感じています。何度かそんな経験をして、最近は自分の本音を語るのが怖くなっていました。でも、このまま怖がって本音を言えないままで、作品なんて作れるのか?そもそも生きること自体が息苦しい・・・

それでも、まずは私が信頼しなければ、相手の信頼を得る事はできないのではないか??

そんな訳で、今はアウトプットよりも、色々な方に出会ってインプットしたいという欲求が強くあります。また、実際のところ、交流することで見えてくる景色はとても温かいことも、沢山経験してきました。そんな、人との交流を求めて「街」である三島に滞在することとなりました。

もう一つ、数年前に日本人と結婚し、子供が今8歳なんですが、それって日本人の母親=8歳なんですよね。今まで「圏外の人」として生きていたのが、「日本人の母になって8歳」という、新しい立場?属性となり、思考にも変化が出てきました。そもそも土地に対する愛着が薄い私は、まず土地を知る事が必要なんじゃないかと。今回はしずおかという一地域ですが、そういった積み重ねの中で、日本をもっと理解していきたいと思っています。

そして迎えた1日目・・・

出発時間ギリギリまで家事をこなして、品川で新幹線に乗って一息ついて、旅が始まったなあ~なんて気持ちをかみしめる間もなく三島に到着!

はやっ!35分で着いちゃった!

中央線芸術祭の打ち合わせで武蔵小金井に行くより早いです^^;

最初に訪れたのは三島クロケット。

そちらで今回のホスト、三島クロケットの山森達也さんや、アーツカウンシルしずおかの皆様、同じく三島滞在のアーティスト坂井存さん、田主丸藝術研究所所長の中村香織さん、函南町滞在のアーティスト新造真人さん、松崎町滞在のプロジェクトデザイナー濱田竜也さんらと出逢い、沢山お話させていただきました。


それぞれの生きる場所で、深く思考された皆さんの言葉は、オノヨーコの作品「グレープフルーツ」のように、直接的インストラクションではないけれど、確実に私の心に新たなインストラクションを与えてくれる。この刺激に対してすぐにアウトプットする反射神経が今はないのだけれど、時間をかけていつか作品化出来たらいいのかなと思っています。

残りの滞在期間、三島でどのようなアップロードがあるのか楽しみです。


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雪を頂いていない富士山。