見出し画像

2024年9月期第2四半期決算サマリ補足 -事業アップデートについて-

みなさま、こんにちは!
いつも当社のnoteをご覧いただきありがとうございます。
マイクロアドIR担当のてつおです。

5月15日に発表しました、2024年9月期 第2四半期決算説明のうち、事業のアップデートを詳しくお伝えいたします。

今回の事業アップデートでは、主にCookie規制およびPostCookie時代の戦略についてお伝えしておりますが、決算説明資料の内容ではなかなか伝わりづらかった部分もあり、より深くご理解いただくため、決算説明資料に掲載していないページも追加しております。是非ご一読いただけますと幸いです。

決算サマリ本編につきましては、こちらをご確認ください。


データプロダクト関連のアップデート

Cookie規制について

そもそも「Cookie規制」とは何か?というところからのお話をします。

Cookieには「1st Party Cookie」「3rd Party Cookie」の2種類があり、それぞれ用途が異なります。
「1st Party Cookie」は、Webサイトが閲覧者に対して発行する情報です。1st Party Cookieの情報は、Webサイトへのログイン状態や、通販サイトの買い物かごに入っている状態、Webサイトのアクセス解析に利用されており、主にサイトの利便性を向上させるために使用されています。

一方、「3rd Party Cookie」というのが今回のCookie規制の対象となる情報で、主に広告配信事業者などの第三者の企業が発行する情報です。
消費者が閲覧した商品やページなどを記録し、広告配信に活用するために使用されます。

通販サイトで閲覧していた商品や類似商品の広告が、他のページに行ってもしばらく出てくることがあると思いますが、消費者が購入直前の商品・サービスの広告を表示させる「リターゲティング広告」などに3rd Party Cookieが活用されています。

「1st Party Cookie」はユーザーの利便性を向上するために利用されるため規制されませんが、「3rd Party Cookie」については、データ取得の自由度が高く、扱い方によっては、プライバシーを侵害してしまう可能性もあるため、規制されることになりました。

Cookie規制スケジュールの延期の背景とは?

Googleは、3rd Party Cookieの廃止にあたり、3rd Party Cookieを代替するソリューションとして「Privacy Sandbox」を提供することとなりました。
Privacy Sandboxの運用開始にあたっては、当社を含めた各事業者が、Cookie規制に向けてテストと性能強化を行っております。

参考:Google Chrome「Privacy Sandbox」に対応

Googleは、イギリスの競争市場庁(CMA、日本の公正取引委員会にあたる省庁)に対して、3rd Party Cookieを代替するソリューションである「Privacy Sandbox」が十分な機能を備えているか、Googleが自社の広告サービスを優遇するような行為を行っていないかを証明することが、3rd Party Cookie廃止の前提条件となります。

4月23日にGoogleより、3rd Party Cookie廃止のスケジュールが約半年延期になることが発表された背景については、CMAに対して提出するテスト結果の準備期間が短かったことが要因でした。

今回Cookie規制については延期となりましたが、今期24年度の当社の計画は、Cookieの段階的な廃止に向けたテスト需要を獲得していく計画で、
上半期ではすでに、460件のアカウントでテストを実施しております。

Cookieを使わない広告配信ではどういった効果が出るのか、広告主や広告代理店のお客様からのお問い合わせは少しずつ増えており、下半期においても、引き続きテスト需要の拡大を見込んでおります。

改めて3rd Party Cookie廃止の延期を受け、ITMedia社にて掲載された当社コメントも併せて掲載いたします。

ここまで複数の市場参加者からサードパーティーCookie廃止までのプロセスに対して、さまざまな懸念が噴出していたことは事実であり、延期の判断自体は致し方ないと捉えています。一方で、前回の延期と異なる点としては、すでに1%のブラウザでサードパーティーCookieが規制され、代替策となるGoogleの「プライバシーサンドボックス」は利用可能な状態に入っており、市場参加者が実際にテストを開始している状況にあることです。
今回の延期判断は、そのような状況において、市場参加者のPostCookieへ取り組む姿勢が本格化してきたことの裏返しであり、より現実的なスケジュールへ落とし込んだ結果だと捉えています。
ITmedia マーケティングに寄稿した連載第1回「サードパーティーCookie廃止のXデーは? 訪れる変化と、今マーケターが取り組むべき対応」でも述べた通り、インターネットの歴史を振り返ってもサードパーティーCookieの廃止論自体は後戻りすることはないと考えられるので、当社としての戦略には大きな変更や影響はありません。延期された期間において、より多くの企業と共に代替施策のトライアル導入を進め品質向上に努めることで、プライバシー保護を前提とした、新しいデジタルマーケティングのエコシステム構築に貢献していきたいと考えています。

https://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/2404/25/news141.html

PostCookie時代のマーケティングとは?

では、3rd Party Cookieが使えなくなった後、どのようにマーケティング手法が変わっていくと考えているかを説明していきます。

デジタルマーケティングの手法とプライバシーデータ

消費者の商品を購入するまでの行動を分解すると、商品・サービスを知ることから始まり、情報を集め、検索をしたり、サイトへ訪問をすることで、
最終的に商品・サービスの購入に至ります。

商品認知から購入に至るまでのマーケティングにおいて、「潜在顧客に向けたブランドマーケティング」「需要が顕在化した顧客に向けたダイレクトマーケティング」の2種類があります。

「潜在顧客に向けたブランドマーケティング」では、動画広告やTVCM、SNSなどを用いて商品・サービスを認知させ、そこからさらに情報を集める段階の消費者に対しては、消費者集団の属性や興味関心データを活用したバナー広告が活用されます。マイクロアドの「UNIVERSE」はこの領域に特化したサービスを提供しています。

「需要が顕在化した購買直前の顧客に向けたダイレクトマーケティング」では、消費者が購入前の商品やサービスについて調べていくときに、検索やECサイトなどへ訪問していきますが、その時に活用されるのが検索連動型広告やリターゲティング広告などが活用されます。

リターゲティング広告は、3rd Party Cookieを活用した詳細な分析によって、購買直前の顧客に対する1対1のマーケティングを行うことで、非常に高い広告効果を発揮することができ、莫大な広告予算が投じられています。一方で、このようなプライバシーデータを活用し購買行動を詳細に分析することが問題視されています。

また、購買に至った既顧客に対しては、メールアドレスなど、許諾を得たプライバシーデータを活用し、メルマガやDMなどにより、継続的なコミュニケーションを取ることでリピート購入を促したり、新しい商品を購入していただく機会を増やす部分がCRM(Customer Relationship Management)という領域があります。

PostCookie時代におけるマーケティングの変化

PostCookie時代のデジタルマーケティングにおいては、これまでのようなプライバシーデータを活用する「需要が顕在化した顧客に向けたダイレクトマーケティング」が縮小していく一方、多くのデータと分析力が必要な「UNIVERSE」が得意とする「潜在顧客に向けたブランドマーケティング」へのシフトしていくものと考えております。

また、Cookie規制の影響を受けない1st Partyデータを活用した「既存顧客に向けたマーケティング」に対してもマーケティング予算がシフトする可能性があり、新しいマーケティング手法を生み出した会社が伸びていくと想定しています。

参考:「UNIVERSE」のビジネスモデルについて

PostCookie時代におけるマイクロアドの戦略

市場規模の拡大が期待されるブランドマーケティング領域は、従来より「UNIVERSE」が得意とする領域であるため、引き続き市場の拡大と共に事業成長を狙っています。また、これまでマイクロアドグループでは出来なかった、購買後の既顧客向けマーケティング領域への拡大を見据え、4月にUNCOVER TRUTH社をM&Aいたしました。

既顧客向けのマーケティングでは、リピート率や顧客単価の向上が重要となります。また、将来的に既存顧客の分析精度が向上することにより、「どういった顧客を新規で獲得すると、商品のファンになってもらい、長く使ってもらえるか」が明らかになっていくことで、ブランドマーケティングでのデータ分析にも活かせ、更なる事業成長の拡大が見込めると考えております。

4月にM&Aをおこなった、UNCOVER TRUTH社について

UNCOVER TRUTH社は、企業が保有する顧客データの分析や活用支援する各種ソリューションを提供する会社です。

「Eark」はUNCOVER TRUTH社が独自で開発し企業へ提供を行う、CDP(Customer Data Platform)という顧客データの分析プラットホームです。
「CONTENT ANALYTICS」はサイト内での顧客行動からどういった分野に興味、関心があるかを分析し、サイト内の回遊性を高めたり、よりリピート購買に繋がるように改修できるような分析ツールです。

「DX-Accelerator」はデータアナリストの常駐型支援サービスです。
当社のUNIVERSEとUNCOVER TRUTH社の各ソリューションを連携することで、中長期的にはPostCookie時代の統合的なマーケティングサービスできるような会社に成長してまいります。

関連プレスリリース:

新領域関連のアップデート

クロスボーダー事業

2024年1月より、急激に中国からの訪日観光客数が増加しています。
中国でアクティブシニア事業を展開する「上海東犁」との合弁会社、「株式会社NEW B」は、4月より営業開始をしており、増加するインバウンドマーケティング需要に対応してまいります。

関連プレスリリース:

オルタナティブデータ事業

UNIVERSEのデータ分析により自己資金で株式投資を行っているオルタナティブデータ事業についてです。
第2四半期時点での理論値での想定年利は、年間11.94%となっております。
引き続きデータベースの強化とアップデートを重ね、既存モデルの安定化と新戦略モデルの開発を行ってまいります。

以上、第2四半期決算サマリの補足編、事業アップデートについての解説でした。

今後とも弊社へのご支援・ご指導のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

■免責事項
本記事は、当社事業や業績などIRに関する情報提供を目的として作成しており、投資勧誘を目的にしたものではありません。
実際に投資を行う際は、本記事およびIRサイトの情報に全面的に依拠して投資判断を下すことはお控えいただき、投資に関するご決定は皆様ご自身のご判断で行うようお願いいたします。

https://www.microad.co.jp/ir/disclaimer/