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フランス現地のラジオ番組を日本で聴く

海外のラジオ局の番組を聴けるアプリをスマートフォンにダウンロードして、フランスのラジオ番組をほぼ毎日聴いています。ラジオ局は『RTL』や『Chérie FM』、『Europe 1』 あたりを選ぶことが多いですが、最近はほとんど『RTL』を聴いています。聴く時間やタイミングは、移動中もしくは入浴中など。(たまに、仕事中にも。)

『RTL』は、私的には日本で言うTBSラジオな感じなのですが、実際どうなのでしょう。フランス在住の彼に聞いたところ、まぁ、ラジオ局としてはまじめなほうだからいいんじゃない?と。放送内容はというと、時事ニュースからカルチャー、対談、音楽コーナーまであり、番組構成は日本のラジオ局とさほど変わらない気がします。

私がちょうど入浴中、つまり日本の夜にあたる時間帯の番組ではリスナーからの人生お悩み電話相談コーナーがあって、新型コロナ以前は圧倒的に恋愛相談が多く、番組のラジオDJが、小学生男女から中年女性まで幅広い層のリスナーからのお悩みを親身に聞いたりアドバイスしたりしていました。

しかし、新型コロナウイルスがフランス国内に蔓延し、厳しいConfinement(コンフィヌマン、 外出制限)がはじまると、やはりリスナーからの相談内容は「毎日の引きこもり生活がつらい」や「学校の勉強が大変(自宅学習になり、課題がたくさん出る)」などの話に一変しました。
こんな相談が2,3週間ほど続いたのですが、3週間を過ぎるあたりから、もうつらいことばかり考えてもしょうがないというか、多くの時間が笑い声で経過するというか、「新型コロナウイルスとかけて何々と説く」みたいなやりとりをDJとリスナーがしてみたりとか、、だんだんネガティブな話を(あえて?)しないような雰囲気に変わっていきました。

外出制限がはじまって4週間が過ぎ、今週の月曜(4月13日)にはマクロン大統領から、この外出制限が追加で4週間延長されることが発表されましたが、ラジオ番組のほうはというと、私が入浴している日本の夜、つまりラジオリスナーからの電話相談の時間帯はひたすらおふざけをする内容が多くなり、昨夜に至っては、『ウイルス』ということばを使って新しい造語をつくってみる、イタリア人の真似をしてイタリア語っぽくモノを言ってみる、果ては、フランス語の西暦をお互い早口言葉のように言い合って競う(フランス語の数字の数え方はちょっと複雑で、西暦4桁となるとたまに舌を噛みそうにはなる)、そして皆でげらげら笑うといった、日本のお風呂でそれを聴いている私は「フランス人、大丈夫?」と心配になってくるようなやりとりが繰り広げられていました。もう、外出制限もここまでくると、難しいことを考えるのが馬鹿らしくなった感じでしょうか。

その後フランス人の彼に、今日の『RTL』はこんな内容だったよとSkypeで報告すると、「フランス人って馬鹿だと思う?」と真剣に聞かれましたが、まあ正直、これだけの予測不能で先の見えない日々が続くと、考えるのイヤになるよね、気持ちはわかるよ。と答えました。そして、日本もおんなじ感じ?と質問されましたが、うーん、ちょっとわからないけど、もうちょっとシリアスな番組が多いかも。いまは。
この雰囲気も、やっぱり日本はフランスの感染状況を数週間遅れるかたちで追っていると言ってもよいのでしょうか。そうであれば、もう少しすると日本も、お気楽なバカ話が大々的に溢れるようになるのでしょうか。

ここで、フランスのラジオ番組の名誉のために言っておきますが、現在、フランス人のDJ達が番組内で四六時中バカ話をしているわけではないので、ご安心を(笑)。 あくまでも、日本の夜の時間帯の『RTL』のお話です。さらに、トークの合い間に流れる音楽の選曲(英米ポップス)はセンスがいいので、とっても参考になるし、聴いていて楽しいです。フランスのシャンソン(というかフレンチポップス)はコロナ前もコロナ後も、「うーん、いまいち」なのですが(笑)

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