見出し画像

【顎変形症手術レポ①】矯正決意〜手術当日まで

顎変形症の手術(下顎前突・SSRO)

2022年の夏に顎変形症の手術をしました。
手術前に顎変形症のレポを沢山読み勇気づけられ、参考にさせていただいたので、自分の体験も顎変形症でお悩みの方へ少しでも参考になればと思い書きました。
長くなったのでいくつかに分割して公開します。よろしくお願いします。

尚、病院名は控えさせていただいております。またこの記事は個人の観点から記録したものでありあくまで一例となりますのでご了承ください。


顎変形症と診断されるまで

2018年冬頃、歯科矯正を決意する。社会人になってある程度余裕ができたらやりたいと以前から思案しており口コミやHPを参考にして近所の矯正歯科を受診する。歯の並び自体は割と整然としており、もしかしたらすぐに治せるのではと淡い期待を持っていたが、診察の結果、重度の受け口であり治すには手術が必要になるだろうと説明される。精査のため大学病院の受診を勧められる。

2019年春頃、紹介された大学病院を受診する。
検査の結果、顎変形症の下顎前突症と診断され歯科矯正に加えて外科手術が必要と説明される。

歯科矯正をしようと思ったらまさかの全身麻酔による手術を宣告され非常に悩むが、矯正の費用が保険適用されることもあり色々考えた末に外科手術を含めた歯科矯正を決断する。


術前矯正

大体月に1回の受診ペース。
矯正器具をつけて半年ぐらいすると受け口が強くなっていった。
術前矯正の期間は一般的に1〜2年だと思うが、私の場合は初診から約3年かかった。コロナの影響で受診間隔が空いたことや予想よりも歯の動きが遅かったのか術前の矯正期間がどんどん伸びた。

手術の予約〜入院前

手術の半年前くらいに手術の許可がようやく降りて口腔外科の予約をした。
予約が出来るとついに私も手術かと緊張した。
手術の1ヶ月前に全身の検査や口腔外科の執刀医から手術について最終的な説明を受けた。
入院の1週間前にPCR検査をした。一番緊張したかもしれない。
陰性の場合は連絡が来ないということで一安心し入院の準備を進める。
また、入院の1週間前くらいに矯正歯科で手術用のフックも装着した。


入院・手術

入院当日・手術前日

入院生活の説明や執刀医の先生やオペ室の看護師さんや色々な人から説明を受けて意外と忙しかった。入院してからは手術への不安はもちろんあったが、やっと手術できるという安堵の方が大きかった。
体重測定もしっかり行った。術後2日目まで洗髪できないのでお風呂も入念に。
術後しばらくは普通のご飯を食べられないと聞いていたので、夕食時明日はもうこれが食べられないなんて不思議な感じだな〜と思いながら味わって食べた。

夜9時から絶食。就寝。


手術当日

手術前々日にあまりよく眠れなかったこともあって逆にこの日は快眠してスッキリ目覚める。

6時起床。看護師さんからアルジネードウォーターという飲み物を渡されて2本飲んだ。ちょっと癖のある感じのスポドリだった。冷たいうちはそんなに気にならなかったけど常温に近くなると酸っぱい独特の風味が強くなった。冷たいうちに飲む方がいいかもしれない。

手術の30分前くらいに看護師さんからアナウンスがあり、トイレを済ませ手術着に着替えた。弾性ストッキングと紙パンツも着用する。

9時頃、病棟の看護師さんと一緒にオペ室へ歩いて向かう。
オペ室へ入り名前と生年月日と手術の確認を行い、オペ室の看護師さんに手術台へ案内される。

手術台に横になると一斉にスタッフが集まり色んなものをささーっとつけられる。
点滴も手術室で行った。手術台は結構狭い。あったかい布団をかけてくれてポカポカした。気がついたらあっという間に準備は終わっていた。

麻酔入りますね〜と言われて緊張する。点滴の管から入ってきているのか少しひやっとした。目を閉じて深呼吸をしているといつの間にか眠っていた。全身麻酔の経験をした人の話から意識がぶっつり切れる感じなのかなと想像していたけれど、いつの間にか麻酔が効いていていつものように眠りに入った感覚だった。


手術の内容

術式:SSRO(下顎枝矢状分割術)
手術時間:約2時間
出血量:20ml以下

手術中の出血は少ないと予想されていたので事前の貯血はしなかった。万が一の場合の輸血の同意については事前に確認があった。


手術後

夢をなんとなく見ていたような。熟睡しているところを起こされるような感じで名前を呼ばれて目が覚めた。一番最初に思ったことは喉が痛いということだった。色々と声をかけられて足を動かしたりする。喉のチューブを抜いてくれたのかジリジリとした痛みがなくなる。エヘンエヘンとした痰がらみはあるが、痛みや吐き気はなかった。

ガラガラとオペ室から運ばれる感じがする。
術後当日はナースステーションの近くの部屋で過ごした。
病室に戻り病棟の看護師さんが色々モニターとかつけてくれる。布団を剥がされた時に寒いと言ってしまい悪寒かと心配されたくさん布団をかけてくれた。

しばらくウトウトする。

口の中は局所麻酔が効いているのか舌先と下顎が鈍い。痰を吸引してもらう。
(その後痰は自分で吸引して良くなったけど思ったより出なかった。)

麻酔が切れてきたのか下顎がズキズキする気がしてくる。ちょうど痛み止めの点滴を使うか看護師さんが聞いてくれたのでお願いする。痛みが強くなってくるが点滴開始して大体15分くらいすると痛みはほとんどなくなった。この後も適宜痛み止めの点滴を使ってもらい痛みはほぼなかった。元々車酔いしやすい体質なので術後の吐き気が心配だったけど吐き気も全くなかった。

病室へ戻ってきて2時間後くらいだったか飲水の許可が出た。その時はそんなに飲みたいとも思わなかったので寝ていたら起きるのも辛いのかなと心配されていた。眠くて寝てるだけだったので申し訳ない。
3時間後にはしっかりと目も覚めてきてベッドの角度も90度くらいまで上げて吸い飲みでごくごく飲めるようになっていた。
尿の管は最初違和感があったけれど、徐々に慣れていった。しかし足を動かすと尿管が引っ張られるのか違和感があり不自由さもあり早く外したかった。

執刀医の先生が合間に来てくれた。開口一番「元気だね」と言われた。思い返すと来るスタッフの人ほぼ全員に元気だねと驚かれた。確かに自分の足で今すぐ歩いて逃げてくださいと言われたら頑張って歩けそうなぐらい元気ではあった。先生から麻痺の確認をされて、その時に全然顔面に痺れがないことに気がつく。私の場合は動かした範囲に神経の接触がなかったらしく麻痺は出てないと思うと説明された。回転をかけたり移動量が多かったりするとどうしても神経に触れて麻痺が出る可能性は高くなるとのことだった。

改めて持参した手鏡で顔を見ると、噛み合わせがしっかり治っていることに感動した。この3年間頑張ってきてよかったと本当に思った。受け口最強期間が長かったこともあって上下の歯がちゃんと噛み合ってる事実が嬉しかった。手術後は血が中で溜まらないように傷から管(血抜きドレーン)を通されていた。口の端から左右2本ぴょこんと出ているのだが、なんか虫の触覚みたいだなと思った。管の先はプラ素材の容器と繋がっていてそこにどんどん血が貯まっていくので血が苦手な人はちょっと怖いかもしれない。

夜は寝ては起きるを繰り返し全然眠れた気がしなかった。色々と管が繋がれているからかいつものように寝返りも打てず1時間ごとに目を覚ましていた。私が手術を受けた病院は術後過ごした部屋はスマホの持ち込みは禁止だったので暇つぶしできなくてめちゃくちゃ暇だった。一人しりとりとか歴史上の人物の名前を思い出したりしてなんとか夜をやり過ごす。

一夜明けて

朝の5時くらいに看護師さんがもう大丈夫そうだから部屋に戻ろうかと声をかけてくれて部屋に戻った。尿の管もこの時に外してくれた。尿の管を外すのは一瞬で、うっ?と違和感はあるけどほんの少しの痛みだった。

ゆっくりと起き上がり眩暈もなかったので一人歩いて部屋に戻る。なんとなくフラーっとはするけれど点滴の台に掴まりながら無事部屋に帰ってくることができた。

☆入院生活編へつづく



最後までお読みくださりありがとうございました。
もし少しでもお役に立ちましたらスキを押していただけると励みになります!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?