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けしからん is good.

自分ひとりでやっている仕事として、
作品を作って、販売する仕事をしている。
お店で売ってもらったり、直接対面で
売ることもある。

この日は、手作り市的なやつで、ホコ天に
なった通り沿いにテントを立てて売っていた。

直にお客さんとお話しできるし、
感想も聞けるので、直接販売はたのしい。

作品を並べて、見て行ってくださいましー
とやっていると、制服を着た女子高生が2人、
作品の前に立ち止まり、なにやらヒソヒソ
話している。

「・・・けしからん」
「うわ。けしからんな」

ケシカラン、、、てゆうた。たしかに。
対象は、私の作品のようだ。

私の経験上、これはbadなときに使う言葉だ。
波平が、カツオを叱る時に使う言葉だ。
「けしからん!」
ときて
「ばっかもーん!」
じゃなかったか、確か。
頭の中にカツオが叱られているシーンを回想。

私が作っているのは日用品であり、
今まで、かわいい、使いやすい、と言われた
ことはあっても、けしからんといわれたのは
初めてである。

もちろん、卑猥な形をした日用品でもない。
そんなんなら、けしからんでも当然だ。
白昼堂々と道路に並べた時点で
しょっぴかれても仕方ない。

こわい、こわいよ。
女子高生に叱られているのか。
能面のような顔で棒立ちになる。

すると、続けて

「けしからん。ほしい。買おうかな。」
「買うの?」

という会話が聞こえてきた。
え。
あ。
・・・けしからんは、goodってこと?
けしからん is good.
へーーー。

そのあと、その子が買ってくれたかどうかは
覚えていないが、この時の衝撃は覚えている。

その地域の女子高生がみんな、けしからん
を、すごくよい、という意味で使っていた
のか、この子達の学校の流行りだったのか、
はたまた、2人だけに通じる会話だったのかは
わからない。

やっぱり、女の子達の生の会話ってすごい。

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