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天使たちのシーンを。

一晩で20センチもの雪が積もった。
土曜日でよかった。

久しぶりに朝ゆっくりできた。
あまりに寒くて布団から出られず、布団の中で
すきな文章をさがす。
小沢健二の「天使たちのシーン」について
書いてある文があって、思い出した。
ああ、これすきだったな。今もすきだけど。
人生のテーマ曲みたいなもののひとつ。

小沢健二をよく聞いていた高校生のころ、
小沢健二は女の子たちの人気の絶頂だった。
私も例に漏れず、歌番組に出るとなれば
ビデオ録画して、キャーキャー。
彼はそれでも、アイドルとも違う感じで。
なんだかいつも飄々として、世の中をだいぶ
上の方から見降ろして、こんなとこに居なくてもいいんだけどね、まあ、こんな時もあっても別にいいんだけども、みたいに思っているような、不思議な人に見えた。
とにかく頭がよすぎて常人でないオーラが
高校生にでもわかるくらいだった。
で、しばらくすると、本当に日本のメディアから姿を消してしまった。

学校まで片道30分自転車の道のりは好きな
音楽の時間だ。途中で飽きないよう3つくらいカセットテープを鞄に入れて。

フリッパーズギター。コーネリアス。
オリジナルラブ。L⇔R。ピチカートファイブ 。ラブタンバリンズ。スカパラ。
コーデュロイ。カーディガンズ。
カーペンターズなど。
そして小沢健二。

スカパラの演奏で小沢健二が歌っている
「しらけちまうぜ」を初めて聴いたとき、
なんってかっこいいの。
と思って。この曲を調べてみると小坂忠の曲のカバー、という事しかわからない。
まだインターネットも身近にない時代だから。
所属する美術部の顧問の先生に
「小坂忠って知ってますか」
って聞いたけどご存じなかった。
先生は、マイケルジャクソンとドナルド
フェイゲンが好きだった。
替わりにドナルドフェイゲンのカマキリドを
教えてもらい、それはそれで好きなアルバムになる。
私は後に小坂忠も、大すきになる。

小沢健二の「犬は吠えるがキャラバンは進む」
というアルバムがすきだ。
その中でも特に
「天使たちのシーン」がすき。
この曲はとにかく長い。
盛り上がる感じもあんまりなく、淡々と続く感じなので、一度カラオケで歌って友人に
辟易されてしまった過去がある。
2度と人前では歌わない。
だけど、最後のほうになんだか、
あっそっか、ときてじーん、
みたいな感じにになるんだ。
YouTubeのコメント欄に、この13分が必要なときがある、と書いていた方がいて、激しく
同感する。

この曲を聴くと、目の前の事や自分のことは
どこかに置き去りにして、何か小さくて大きなものについて思うような気になる。
ああ、全然うまくいえていない。
とにかく名曲。

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