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狂っても、恋 観劇

#寝れない部屋  の狂っても、恋を観劇しました。本日17時の回が最終ということで、まずは御盛会を心よりお慶び申し上げます。

劇の前の感想

事前情報としては春名風花さんのこのツイート 
https://twitter.com/harukazechan/status/1786583121334534580?t=k8NP5EVAObmBJqM2jPidKA&s=19

くらいでしたが、よく考えると春名風花さんが演じてきた役でそもそも合法的に最後まで行った役目ってそんなにないよね(いや、ない。反語)という割り切りをして会場に向かいました。なぜこんな割り切りをしたかと言うと私にホラー耐性がほぼゼロだからです。どれくらいゼロかと申し上げると、ホーンテッドマンションの入口の仕掛けで足が震えて腰を抜かしかけたことがあります。


場所は下北沢のOFF・OFFシアターというところでした。全席自由席はありがたく、端っこの方におりました。これは他の舞台でもこうして欲しい。身体がおおきいのですみっコぐらしが好きです

舞台はたぶんこれまで数えるほどしかない私の観劇経験上でも一番小さいんじゃないか、と思ったのですが、観劇中はほんとに気になりませんでした。舞台内で展開する2つの物語の見せ方がすごかった。あと、舞台が始まるまでの間のあの独特の時間はちょっと好きです。映画館でリスとウサギの掛け合いを心の底から毛嫌いしている私にとっては、広告なく入れる舞台は有り難いです。

劇中の感想

舞台は2009年4月から。大学に合格した主人公が合コンサークルに入り1年先輩の椿に恋をして破綻していくまでを描きます。当時の舞台設定でガラケーとiPhoneの混在だったり赤外線通信だったりTwitter&mixiだったりと懐かしい小道具が出てきましたが、極論人間は電話さえあれば繋がれるのだ!という感じでしたね。たぶんLINEになると舞台の絵にならないからだとも思いましたが、ガラケー時代はとにかくメーリングリストが大活躍しており複数人のやりとりはだいたいそれでしたね。freemlとか。なんども基地局、センター問い合わせしてメールを確認したのはいい思い出です。未だに初恋の女性をデートに誘った返信が来たときの気持ちは覚えています、文面は忘れましたが


物語の本筋は恋、主人公は1年先輩の椿に恋をし、椿は不倫でおじに恋をし、サークル内の女性の楓はサークル内で恋をしますがその恋はDVという形でおそらく破局し、40歳を超えて入学したショコラはサークルの主幹とくっつき、主人公と大学から知り合ったイツキは最後まで恋できないまま主人公と仲違いして終わり。

仲違いの原因は不倫中の椿を恋愛対象にすることの是非なのですがイツキはめちゃめちゃ常識人だからこそ恋を主観にしたこの物語では異分子として扱われてしまいます。悲しいね。フェスに行ったときカップルみんなの写真撮ったりしたのにね、それは学生や社会人時代の俺だね。おいやめろ

そう、この物語の主題は恋なのです。故に恋をしないキャラは極論異分子として排除されるのです。そして恋ってそんなに盲目か?という問いと恋にどこまで狂うの?という問いはぜひとも今後自問自答したいところだと思います。それは大学生像も含めて。


この劇中では大学生は絵に描いたような自堕落ぶりで、授業以外で青春を謳歌していますが2009年って結構学生を取り巻く環境は変わっており、少なくとも私の大学時代(2005年ー2009年)は勉強にかなりのポーションを割かれておりました。この意味で、この劇中の大学生像は自分の中ではフィクションであったというか、「もっと昔の」それこそショコラ(40歳)くらいの時代の像ではなかったのか?と思っておりました。もちろんカラオケやパチンコはゼロではなかったですが、合コンサークル的なノリはだいぶ下火だった記憶があります。

そして恋。大学時代はラストリゾートとして恋愛できる最後のモラトリアムというのは私も異論はないのですが、恋は盲目の意味はなかなか難しい。リアリスティックな恋の位置づけで言えば皆イツキの恋愛観になるので、それだと話が進展しないですしかといって椿の恋愛観でいるなら大学生の10人に1人くらいは収監されていないとおかしい計算になります。

故に、私も少し誤解してたのですがこの劇でのメッセージを「恋って良いよね」だと少し履き違えてるのだと思いました。この劇のメッセージは「この恋の有り様を刮目して見よ」なのだと思います。若者が恋をしている、君たちにはそれを倫理や、社会通年や常識で裁く権利はないのだ、そういう話だったのかなと観劇1日たった今は思っております。

物語もすごく上手くできていて、恋人にDVを受ける楓には幸せになってほしいと誰もが思ったでしょうし、椿(春名風花さん)はまた非合法なことしてる/させてる…とこれまた誰もが思ったと思いますが、椿もフェスで主人公に勢いでキスしなければ。主人公も椿の部屋に行く前にイツキや楓など常識人のアドバイスを聞けていれば。不倫のおじがもう少し戦闘力が高ければ、こんなことにはならなかったかと想うとつくづく筋トレしていなかったおじの怠慢が悔やまれます。見るからに線が細いおじでしたのでちょっと厳しかったですね、来世では背筋250kgを目指してほしいです。

今回の劇中では主人公の心情がスタッフ役の女性に代弁されるという珍しい表現手法でした。ここも結果的には殺伐としがちなシーンを含めていい緩衝材だったように思います、最後主人公の背中はフルスロットルで押しまくってましたが

最後に

個人的に年代ほぼど真ん中だったからこそ、電話だけでなくメール表現(センター問い合わせなど)あるともっとキュン死した気がしたのと、DV彼氏の方だけでなく楓も何かしら背景エピソードあっても良かったのかも、とは思いました。でも、合コンサークルなんて付き合いの深さで言えばあのくらいというのもまたリアルな描写ですし、結局あのサークルが解散したことで他のメンバーとの接点がなくなり、暴走まで歯止めが効かなくなったというのもとても理解できます。

上記諸々含めて、本当に楽しい観劇体験でした。ありがとうございました。御礼申し上げます。恋しような

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