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ビリージョエルのピアノマンを歌う

 学校で英語を習うようになってから、英語のポップスを聴いて来ました。いくつもの英語のフレーズを洋楽で覚えたりしました。なのでカラオケに行くといつもクラシックなロックやポップスの曲を唄います。
 その中でも歌うと気持ちが高揚する曲があります。それはメロディーが良かったり、英語の歌詞が素敵であったり、その曲が作られた頃の時代背景を感じられたりする曲です。英語の歌詞は聴くだけではよく聞き取れないこともあるのですが、大抵そんなに難しい言葉は使われていないのでカラオケで歌詞が表示されると分かります
 そんな曲の一つにニュヨーク出身のシンガーソングライター、ビリージョエルのピアノマンがあります。この曲は彼の初期のアルバムに入っていて、ビリージョエルの名を世に知らしめる曲になりました。私もこの曲で初めて海を越えたビリージョエルの歌を聴きました。この曲がヒットした時期は1974年頃で同じ頃クイーンのキラークイーンやバーブラ・ストライサンドの追憶などの曲が流行りました。日本でも大人も楽しめる良質な洋楽の曲が多く出始めた頃です。
 この歌の歌い出しの歌詞はこんな風に始まります。It's nine o'clock on a Saturday. The regular crowd shuffles in.(土曜の夜9時、いつものメンバーが次々やってくる)バーには、若い頃のうろ覚えの曲をリクエストする年配の男性や小説家志望の不動産屋、酔いが回って来たビジネスマン、ピアノマンに一杯おごる店員で友人のジョンなどの面々がいます。土曜の夜にしては客の入りも良く、支配人はご機嫌でピアノマンに微笑みかけます。ピアノマンは 思います。Cause he knows that it's me they've been comin' to see to forget about their life for a while.(彼は客が人生の憂さをしばし忘れるために俺に会いに来ているのを知っているからな)これだけでも映画の1シーンのようなバーの光景がイメージされますよね。
 ところでこの曲、曲調はミディアムテンポの三拍子、ジャズピアノっぽいイントロから入りますが、直ぐにボブディラン風のハーモニカに変わります。メロディは60年代のフォークソングのようにやさしく歌いやすいものです。・・・ある一点をのぞいては。
 それは、ワンコーラスごとに1オクターブ高く歌ったりまた、また戻ったりします。歌詞の登場人物に合わせ声の高さでそのニュアンスを出しているのです。なのでオリジナルのように歌うと結構音域が広くなり、低く歌ってる部分はしっかりした声にならず、高く歌っている部分は苦しくなります。音域がバリトン位の私の場合はカラオケで高さを4つ下げて唄うと何とか上下入ります。ただ4つ下げると原曲のアレンジが低くなりすぎてちょっとカッコ悪い。少し練習して2つ下げるぐらいで歌えるようになりたいとは思ってはいます。
 この曲におけるこのオクターブ問題、なんちゃって解決策として、低い声を出せる人と高い声を出せる人でデュエットで歌う、もしくはしれっと音の高さはオクターブは変えず歌ってしまうという手もあると思います。オクターブを変えない場合は、声の強弱や発声で違う人が歌っている感じにするのもありかと思いますがこれはこれで難しいかな・・・。
 
 まあこんな感じで易しいようで難しいこの曲、私はこれはアメリカのその時代の庶民の生活の一場面を唄う労働歌のようだなと感じます。バーでピアノを弾いて歌うピアノマン自身もそうですが、昼間のそれぞれの仕事や生活にくたっとなった人々が集ってピアノマンの歌を楽しみ、しばし現実を忘れる、そんなどこの場所でもありそうな光景を歌ってるように思えます。


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