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短い短い読書感想文です。


鯨井あめ『晴れ、時々くらげを呼ぶ』


ちょうど1年前に発行され、第14回 小説現代長編新人賞を受賞した本作。
本屋さんで見かけて、面白そうだな、と思い、図書館で借りて読んでみました。
ファンタジー要素のある作品ですが、「くらげを呼ぶ」というこの1点を除いては非常にリアルな描写が多く、本当にくらげも呼べてしまうのではないか、と錯覚させてくれる作品でした。


※以下、作品の中で最も心に残った言葉を書き残します。これから本作を読もうと考えられている方はネタバレにご注意ください※



必要な波風がある。海を進むには風が必要で、凪を受け入れてしまえば停滞する。僕は進まなくてはならない。他者への興味を持つのだ。(p.201)




主人公の決意。優しくなるために、他者へ興味を持とうとする姿勢。凪は心地いいものかもしれないけれど、ずっと凪いでいてはいられない。

一歩踏み出す勇気がほしい時に、読み返したいと思ったフレーズでした。


本好きな方、理不尽との戦い方を知りたい方、クラゲの生態に興味のある方にオススメです。


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