一生に一度は映画館でジブリを【千と千尋の神隠し編 2の巻】

前回 https://note.com/michoko_chibi/n/n5239225199ca

○大好き窯爺

ボイラー室での出来事は、単に「千尋が油屋の洗礼を受けた」と取れると思いますが、めちゃくちゃ考えてしまった。社会を表してるな~と。ススワタリが社会の有象無象で、己の都合の良し悪しが判断基準。善意を利用する一方で自己責任論を押し付ける誰でもない誰かみたいな。増えても減っても分からない存在。そう思うと昔は金平糖を頬張るススワタリが可愛いと思っていましたが、そうでは無くなってきました。

ちなみにススワタリの透け感はデジタル処理によるものだそうで、小トトロのころは1枚ずつスプレーで作画していたのだとか。窯爺はめちゃくちゃお人好しだなと思う一方で、千尋に最初に影響を受けた(人)物ではないかな~とも思います。人を使うのが上手く、厳しくても慕われるタイプっぽい。私にはないものをたくさん持っている(脚とかね)キャラクターです。あと、天井高く積みあがった棚などを見るとボイラー室を思い出します。引き出しいっぱいある棚大好きだった。見るたび姉と「かまじいだ!」って言ってた。

また、ボイラーの継ぎ目が”ジブリ”って感じですよね。どことなく顔に見えるところもまさにって感じ。

そしてお待ちかねのリン登場。尻に敷かれる窯爺との掛け合いが好きです。イタチかテンが変わった感じのデザインだそうです。リンも私にないものをたくさん持っているキャラクターです。安定性とユーモアがあって姉御肌。イモリの黒焼きもらったけど、ここまでしてくれる人なかなか居ない。そして連れて行ってくれるだけじゃなく、本当にいろんなことを教えてくれてる。

はかまを探すシーンでリンが小さいサイズの存在を認知していたことが分かりますが…これはリンが以前着ていたものなのではないかと思っています。自分にも新人のころがあったから、世話を焼くのが当たり前、というように千尋を可愛がる姿が本当に素敵です。

○湯婆婆

時系列は前後しますが、湯婆婆はとても正直なキャラクターだなと思います。坊にその場を乱されたとはいえ「働かせてやる」と一度口にしたらすんなり契約したのは、魔女の特性なのでしょうか?湯婆婆の話は銭婆のところで後々…。そのあとに来るガンマキリハク様可愛い…。

○有名なおにぎり

何回見ても泣いちゃうおにぎりのシーン。幼いころは何となく見ていたシーンですが、辛くて辛くて、でも泣けなくて必死に進んできたけど、ふとした優しさに触れた瞬間ぼろぼろ涙が零れることあるよね…。割とご飯食べながら泣くときあるよね…。わかる。こういう見方の変化がジブリの醍醐味です。音楽の盛り上がりとともに千尋が涙を流し始めるので、涙が促進されてしまいます。実際におにぎりを食べながらアフレコした話は有名ですよね。

ちなみに、おにぎりにはまじないが込められていたのか?という問題ですが、「愛」という優しいおまじないが込められていたのかも?(深夜2時)

このときの音楽が「あの日の川」というタイトルです。千尋はハク様の優しさに触れたことがあることをタイトルで示唆してしまうなんて素敵です。

○カオナシ

明らかに異質な存在。でも、一番共感できる気がします。仮面は「ペルソナ」を表しているのかな?とか色々考えますが、心の無意識にあるイド的部分なのかなと思います。悲しいとか欲しいとか、人間の負の感情を表しているキャラクターだと思います。常に誰かに認められたくて、一人でも多くの人に好かれたいって思っちゃう気持ち分かる。でも本当に必要なのはたくさんの友人ではなく、本当に大切な誰かで、それが千尋だと思ったカオナシはめっちゃ尽くしちゃう。

千尋とカオナシの関係は恋人関係の縺れとも取れると言ったら考えすぎでしょうか?

○仕事のシーン

お祭りっぽい音楽が流れます。タイトルは「仕事はつらいぜ」です。仮のタイトルがそのまま付いてしまったのかなって思ってます。この音楽が世界に発信されたと思うと、胸が熱くなります…!

○おクサレ神(よきかな~の神)

川の汚染を表現し環境問題に言及しているシーンだと思います。ナウシカや平成たぬきぽんぽこをはじめ、ジブリ作品は環境問題へのメッセージが至る所に添えられています。

湯婆婆の判断力も素晴らしいです、やり手だな~…。

そして、自転車のグリップをロープで結ぶシーンですが、リンはもたもたする千尋からロープを取って素早く結んでいます。こういう細やかな演出でキャラクターの関係性を表していくジブリ。何回観ても飽きない理由の一つです。

○カオナシの暴走

カオナシが大窯に入って砂金をばら撒くシーン。ご飯を渡す人、おこぼれをもらおうとする人、欲にまみれた姿をよく現しているのと、単純にご飯が美味しそうで好きなシーンです。

未だに謎なのが、何故千尋はこの日の朝に、窯爺のところへ行かなくてはならなかったのでしょうか?苦団子のことを聞きたかったのかな?

3弾に続く。



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