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猫みたいに可愛い彼女、結婚後は虎になる

果たして私の周りの女子たちが最強なのか、ベトナムの女性たちが最強なのかはわかりません。ベトナム女子の一般論として語るつもりは毛頭ありません。

最近、男性陣とよくコーヒーを飲みに行く機会があります。この片田舎で、日本人が珍しいのと、英語を使ういいチャンスということで、よく誘ってくれるのです。

というのも、私は独身のアラサー女ですが、ベトナムに来てから早三か月、同年代の独身女子友達は今のところ一人しか会っていません。それもそのはず、ベトナム政府がベトナム国民に「30歳までに結婚し、35歳までに第二子を出産せよ」と奨励しているのである!

これは2020年に承認された「2030年に向けた出生率調整プログラム」に基づくものです。子供が二人いる家庭には、所得税の減税や家賃補助などの待遇を受けられる。Facebook上では、そのうち「独身税」なるものが課されるのではないかという噂があったりなかったりするらしい。

周りからよく、「年齢より若く見えるー!」と言われるのだが、喜んでいるのも束の間。「きっとまだ子供産んでないからだね!」と続く。

さらには、私の年齢を聞いた瞬間、「えー早く結婚して子供産まないと間に合わないよ」と言われる。「何にだ!余計なお世話だあー!」と心の中で叫ぶもとりあえず「うん、そうだね、あはは」と適当に返事しておく。

こんな会話を、ベトナムに来てから男女問わず3回くらいしている。

ということで、私の同年代のベトナム人女性たちは新生児の子育て中の人が多く、ふらっとベトナムにやってきた日本人とお出かけしてくれる時間なんてあまりないのです。涙

結果、最近よく男性陣とよくコーヒーを飲みに行くという状況になっているわけです。(言い訳が長くなりました)

そして、ベトナム人女性は最強説ですが、それは、「家族で誰が一番怖いか」という問いから始まりました。

答えは、即答で「奥さん」。

ベトナム人のMr.V曰く、
「結婚する前は、猫みたいに可愛いんだけどね。結婚してさらに子供までできると、虎みたいになるんだよ。怖い怖い」

「ほんとはね、いろんな美人で若い女子たちと飲みに行ったりしたいんだけどね。もちろん奥さんが一番美人だけどね。でもそんなことしたら絶対怒られるから。あっはっは」なんて(おそらく)冗談ばっかり飛ばしまくっているMr.V。

インド出身でベトナムで英語教師をしているMr.Iは、まだ独身で、「次会うときは美人のベトナム人女性紹介してよ~」なんて言うと、

「もちろん、もちろん。奥さんがいないときに美人さんたくさん連れてくるよ」と言うMr.V。

その二人のやり取りを、失笑しながら眺めているカンボジア人のMr.Cがボソッと、「男性が金銭的に家族を支えて、女性が家族を守るって言うよね。家族を守るために虎になるんだよ、奥さんは」。

「そこはやっぱり虎なんだ」とは思ったが、口には出さず。

一通り盛り上がっているとMr.Vの電話が鳴った。
「あっ噂の虎からビデオコールだ!」
「虎は音声コールじゃないんだよ、絶対ビデオにするんだよ、監視するために!」
「ハローハニー!」

と騒ぐ、男性たち。

この陽気な男性陣を見ていると、既視感を覚えた。
そう、それは、日本の飲み会。ただし、こちらでは、昼下がりのカフェでコーヒーを片手にこんな会話をしている。まあ、どこの国にいようが、どこの国で生まれようが、結局同じような会話を繰り広げている。

そんな虎に恐れをなしたわけでは絶対ないだろうが、ベトナムでは女性に感謝する日がたくさんある。

まず、2月14日のバレンタインデーは、男性が女性にプレゼントを渡すことになっている。

そして、3月8日の国際女性デー(International Women's Day)は、割と盛大に祝われる。国際女性デーに向け、ベトナムでは3月4日の月曜日から「アオザイ(ベトナムの伝統衣装)週間」ということで、街中でもアオザイでバイクにのある女性、役所ではアオザイで写真撮影をする女性職員、大学でもアオザイで写真撮影をする女性教員の姿をたくさん目にした。

さらに、大学では、8日には女性職員たちによる生け花大会があるということで、この一週間、彼女たちは一生懸命カラフルな花たちを生けていたらしい。

生け花

ベトナムの街では、国際女性デーはバレンタインデーなみの盛り上がりだった。いつも交通量の多い幹線道路沿いには、バラの花束や大きなぬいぐるみをル露天商であふれていた。

さらにベトナムには、ベトナム女性の日というものまである。

ベトナム女性の日である10月20日にはなんと、

”女性に感謝の気持ちを表す(あるいは女性がプレゼントをおねだりできる)良い機会”

https://life.viet-jo.com/howto/basic/201

だったりするらしい。

ミャンマーやラオスで働いていた時も、東南アジアの「かかあ天下有力説」はよく上司から聞いていた。ビジネス界においても、「有名な財閥や大企業のトップは大体女性。軍関連以外では大体女性がトップにいる」と。

ちゃんと調査をしたわけではないので、ベトナム女性最強説を否定も肯定もするつもりはないけれど、「奥さん怖い」だの「虎だ」だの言いながらも、母や彼女、同僚たちに感謝の気持ちを伝える日がたくさんあるなんて素敵と思った次第です。

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