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運命の人はあなたを幸せにしてくれる人ではない/48歳バツイチだけど運命の人に出会った【最終回】

連載中の「48歳バツイチだけど運命の人に出会った」も今回で最終回です。

読んでくださってる方の中には龍神様や前世での縁が出てきた時点で、読むのを辞めてしまった方もいるかもしれません。

ア●ブロによくあるような「あなたのツインソウルはどこ? 前世を知ってキラキラハッピーライフ!」とか「龍神パワーで恋もお金も引き寄せちゃう!」みたいなブログや書籍に、龍神様も前世も利用されすぎて、手垢が付きまくってますもんね。

でも、龍神様はいます。

前世はあります。誰にでも。

だいたい皆さん、平均して10~20回くらいは転生しているらしいです。

前回、私にも龍神様の影響があるのではないか、という話を途中まで書いて、なんとなくうやむやで終わってしまいましたが、結論から言うと多分、いろんな所に出ているような気がします。

その後の話ですが、私は2018年の夏に店を閉めました。
元々、たー君の運転代行社が曽我の乗っ取りなどで危機に陥った時に店を辞めて手伝う、という話をしていたのです。

しかし公庫で借りたお金も返せてないうちに閉めるのは……と延ばし延ばしにしていたら「店をやりたい」という常連さんが現れ、その人に譲ることに。

彼女が2018年3月に仕事を辞めて4月から店をやる、という段取りになっていたのに、その人は1月に突然亡くなってしまいました。

そして別の常連さんは配偶者を亡くし、同時期に何度か店に来ていた若い男性は自殺……と、2018年は明けてからバタバタとした日々が続きました。

何人か亡くなったことで、Мさんにふたたびお世話になりました。

亡くなった人たち、皆40代なんですよ。
自分が死ぬという心構えは多分なかったと思います。

突然のことですから、この世にまだ未練がある。
彼らは子どもや配偶者のためにこの世に留まろうとしたのです。

Мさんは亡くなった人の言葉を聞き、行先を示してくれたそうです。

「上に行きなさい。その方が残された人の為にもなるから」と。

そのほかにもお客さんが何人か亡くなりました。
人生を左右するような事件に遭った人もいましたし、病気になった人もいた。

私の店の常連さんは、何がしかの「人生の過渡期」を迎えた人が多いような気がします。

店を譲るはずだった人が亡くなり、常連さんも次々と来られない状態になって、私は店をどうするか悩みました。代行社もなんとなく落ち着いてはいたし、店を続けても良かったんですが、なんかもうモチベーションが上がらないんですよね。

ある日、誰もいない店で一人で座っていたら「役目は終わった」とストン、と落ちてきたんです。

耳に聞こえたわけでもなく、頭に浮かんだわけでもなく、体の中にその言葉は入ってきました。

私は「ああ、そうだな」と納得しました。

たー君と霊能者Мさんとを取り持つ役目、または亡くなる運命だった人たちとМさんを取り持つ役目。
そして突然亡くなったお客さんがこの世に残したことの後始末など。

それらを経て、なんとなく私も一区切りついたな、と感じました。


店を辞めた私はたー君と一緒に住んで、代行の仕事を始めたのですが、毎日一緒にいて同じ仕事してるとケンカしかしないんですよね。

以前のようなストレスをぶつけられるようなのではなく、実務的な内容……給料のこととか、設備投資のこととか、さらには家事や生活費のこととか。

結果、私は実家に帰り、今は別の仕事をしています。たー君とは週末だけ会ってご飯食べたりドライブに行ったり。
運命の人であるのは間違いないのですが、今は付かず離れずといった関係です。


私とたー君とのいきさつを話すと、みなさん「私も運命の人と出会いたい」「前世を視てもらいたい」と言います。Мさんに視てもらいに行った人もいます。


でも、前世を知っても意味がないし、運命の人は一人ではない。

そして運命の人はあなたを幸せにしてくれる人ではない。


これだけはハッキリ言えます。

恋愛も結婚も「幸せにしてもらうこと」ではないんです。
好きな人と一緒になれて幸せでも、時間が経つと「こんなはずじゃなかった」ということは往々にしてありますよね。

それはなぜなのか。

「相手に幸せにしてもらおうと思うから」

「相手が●●してくれるだろう、と期待するから」

そんなことってありませんか?

とどのつまり、幸せになるのも不幸せになるのも自分次第なんです。


そして実は、この世の幸せとあの世の幸せはちがう。

……ということも書いておきます。


どういうことかと言うと、何回も転生するということは、その都度の生に課題があるということなんですよ。

生まれ変わったあなたの今回の生では「自立する」ということが課題かもしれない。

何度か恋愛をし、結婚して幸せになったと思っていたら、配偶者から心ない言葉を浴びせられ、生活費も貰えない日々が続いたとします。

お金をくれない配偶者に対し、毎日心の中で呪詛を吐き続けるか、思い切って別れて自分の生活を確立するか悩みますよね。

子どものことを考えてとか世間体とか、自分一人では子どもを育てるのは無理とか、いろんなことを考えることと思います。

そこで一歩踏み出せるかどうかがあなたの課題だったりします。自ら苦労に飛び込んで、茨の道を歩むことになっても、今のこの状況を続けるよりはマシ、と思えるか。

離婚、受験の失敗、事業の失敗……この世にはさまざまな「失敗」があります。また、見た目に恵まれなかった、家が貧乏だったなど、自分ではどうしうもない運命もあります。

この世ではいいお家に生まれて、お金の心配をすることもなく、家族の仲が良い、高い教育を受けられる、配偶者にも子供に恵まれ……というのが幸せな人生かもしれません。

しかし、何の苦労もない人生では何も得られない。何も学ぶことのない人生は、あの世では不幸なことなんです。たくさん苦労して、たくさん学ぶことがあの世では尊いのです。

ですから何かを失敗したとしても、必要以上に自分を責めるのはやめてください。それはあなたの今生での学びなのですから。

私の周囲でも、現在配偶者に虐げられている人、子どもを亡くした人、配偶者を亡くした人、生まれつき障がいがある人と……傍目からは「不幸」に見える人が何人かいます。

私は「この人は今生、大変な課題に挑戦してるんだな」と思っています。

課題に挑戦し、それを成し遂げて寿命を全うすれば、あの世では温かく迎えられます。
そして本来の人間の居場所である「あの世」でしばらく過ごしたのち、また違う課題に挑戦するために転生してこの世に戻ってきます。

また逆に、これまで長々と書いてきた曽我や原口といった人間は、多分、亡くなったとしてもあの世では温かく迎えられはしません。

人は亡くなると、嘘つきは嘘つきの、泥棒は泥棒ばかりがいる「層」に行くそうです。地獄と呼ばれている所かもしれませんが、とにかく似たような人ばかりがいる所に行く。

嘘を吐いて人を騙そうとしても、相手も嘘つきだから逆に騙されたりします。ですから嘘つきの層ではみな猜疑心でいっぱい。この世で自分がやったことを身をもって知る、ということらしいです。

曽我や原口たちにさまざまなこと……金を盗まれたり、殴られたり、掲示板に嘘を書かれたりしました。
そういえば私が一人でいる時に、車で周りをグルグル回られたこともありました。店のまん前に車を止められたりとかも。脅しのつもりだったんですかね。

そんなことをされましたが、彼らも会社がうまく行かなくなったり、事故を起こしたりしてるし、報いは受けたと思っています。

ただのレベルの低い人間たちですから、今はなんとも思っていません。多分、あいつら何回も転生してないんだろうな。

だって、あいつらがいなかったら、ここまでたー君と深い結びつきにもなってなかったかもしれませんからね。

もしかしたら、あいつらもある意味「運命の人」なのかもしれません。


たぶん、世の中のいろんなことって無駄がないようにできているんですよ。

誰かが何気なく放った一言が、あなたの生きる上での指針になったり、逆に酷い言葉を投げられて、あなたはその人を見返そうとして奮起した、などということがあったとします。

そういう人たちも「運命の人」になります。

あなたが苦い思いをさせられた元恋人も、その人とつきあっていた時のことが教訓となって、現在の恋人との関係に役立っているなら、その元恋人も運命の人です。

現在の「あなた」を作った一人ですからね。

ですから、恋愛という狭義で「運命」をとらえず、広い目を持ってさまざまな人を見るようにしてください。

また、あなたに何か不幸としか思えない出来事が起こったとしても、どうか落胆せずに果敢にそれと戦ってください。

それがあなたの今生の課題であり、運命であるかもしれないのですから。


おわり




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