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山師の根性 || LMEとはなんぞや

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電気銅の値段と鉱石の関係性

電気銅の値段と鉱石の関係性

前回に続きまして、今回も、「電気銅とはなんぞや」ということと、「電気銅の値段って、どうやって決まるの」について、当方なりの見解をしたためさせていただきたいと思います。

ここでは、これまで言及して参りました「(a) LME電気銅価格」と「(b) 建値(≒電気銅販売価格)」の間に、「(c) 銅精鉱購入価格」という、もうひとつの概念が登場します。

電気銅販売価格(製錬メーカーの製品販売)
(b) は

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電気銅とは

電気銅とは

前回に続きまして、今回も、「建値とはなんぞや」ということと、「電気銅とはなんぞや」について、当方なりの見解をしたためさせていただきたいと思います。

記事の中で、建値とは、「金属の板とかインゴットの1重量単位当たりの希望卸売価格である」ということに触れました。

金属取引上の単位
ちなみにですが、JX金属が発表されている“山元建値”の単位は、メートル(メトリック)・トン当たりの円価で示されています

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銅の“建値”とは

銅の“建値”とは

我々の業界には、「建値」という概念があります。おそらく、それは、他の業界でも通用する考え方だと思いますが、おおよそ「メーカー希望卸売価格」であると考えています。なんの卸売価格なのかというと、それは、重量当たり換算した“インゴット・板”の値段です。その値段をもとに、製造業者(動脈産業)からスクラップ再生業者(静脈産業)、ひいては中間業者(流通)のあいだで、各々が扱う商材の値段が算出されています。

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LMEの取引形態

LMEの取引形態

今回の投稿は、 #LME 公式ウェブサイトに掲載されている、デジタル・リーフレット "A Detailed Guide to the London Metal Exchange"を参照させていただきました。あくまでも、個人的な備忘録としてまとめた内容です。齟齬ないよう確認していますが、記述内容につきましては、すべて本家が正となります。ご了承ください。

概要・⾮鉄⾦属業界におけるトレーディングのメ

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LME (London Metal Exchange) の歴史

LME (London Metal Exchange) の歴史

概要ロンドン金属取引所は、19世紀、イギリスの産業界の金属に対する飽くなき欲求を満たすために設立されました。ロンドンの帽子屋の上階で産声を上げたLMEは、世界最大の非上場企業に成長しました。その140年の歴史を通して、世界最大の非鉄金属を取り扱う一大マーケットとして認知されています。

引用: REUTERS "Chronology-History of the London Metal Exch

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