モテまくる男が語る、たった一つの価値観とは
セラピスト見習いのみちるアキバ店、サイ(https://x.com/michiru_sai)と申します。
会社にやたらとモテる人がいます。見た目はそれほど良いわけではないのに、男女問わず人気が高い。すでに結婚しているため変なことになることはないが、いまいち信用できずに距離を置いていました。
ちょうど4月に歓迎会があったので、小グループに分かれて開催することに。くじ引きでグループ分けされ、運悪くそのモテる人と同じグループになってしまった。出欠確認の後のくじ引きなので、今さら断ることもできません。
自分のグループは4人で、他には同期の男性と、美人の先輩女性、そしてそのモテ男がいました。モテ男はマネージャーという立場で、その日一番偉い役職に。にもかかわらず、彼は自ら進んでテキパキと仕切り、男女問わず上手にエスコートしていた。ハラスメントの気配もなく、会は順調に進んでいきましたが、自分はなんとなく胡散臭く感じ、その場に馴染めませんでした。
同期はもともとノリが軽く、彼が話題を振ったり先輩女性にいじられたりして、場の空気が悪くなることはありませんでした。モテ男は終始和やかで、会話が止まりそうになると話題を提供し、質問にもしっかり答えていました。変な質問には上手に受け流し、忘年会をさりげなくも巧みに制御していました。
お酒が進み、本音トークを一人ずつ話そうということに。同期は酔った勢いで先輩女性に「ぶっちゃけ好きです!」と告白しましたが、「それはセクハラだから、次は人事に報告するよ」と笑いながらも釘を刺されていました。
次は自分の番で、酒が回っていたせいか、別に嫌われてもいいだろうという気持ちでモテ男に煽り気味に質問を投げました。「どうしてそんなに男女問わずモテるんですか?入社以来、実はそれが理由で信用できなくて。」
モテ男は気分を害することなく、いつもの調子で答えました。「そうか。たまにそう言われることもあるよ。もしかしたらそうかなと思って、こちらから無理に距離を詰めないようにしていた。」どうやら、自分が彼を苦手としていることは気づかれていたらしい。それが申し訳なくなり、「すみません」と謝ると、「謝ることじゃないよ。それは仕方ないことだ」と爽やかに返されました。
その態度がモテる理由なのだろうと感じながらも、少し惨めな気持ちになっていると、モテ男は再び話し始めました。「人間関係で一番大切にしているルールが一つあって、それは『大切に思っている人が大切に思っているものを大切に思う』ということ。」
正確な言葉ではなかったかもしれないが、そのようなことを言っていました。意味がよくわからなかったので同期を見ると、彼も理解できない顔をしていました。それを察してか、モテ男は再び話し始めました。
「自分が大切に思う相手というのは、その相手が大切に思っているもので成り立っている。だから、その人を大切に思いたいのであれば、その人が大切に思っているものも大切に思う必要がある。例えば、花が好きな人がいれば、その花を好きだという思いを大切にするということ。」
もし自分が花を嫌いだとしたら、どうすればいいのか質問すると、モテ男は「好きになるということではなく、好きだと思っているその人の気持ちを尊重することだ」と答えました。好きではないけど、好きという気持ちを尊重するとはどういうことか。
例えば、ギャンブルや薬物が好きな場合はどうかと質問を続けると、モテ男は「そうだよ。ただし、それは今に限っての話で、未来に向けて変わっていく必要がある」と答えました。
「物事の価値には『好き/嫌い』と『いい/悪い』という異なる軸があり、悪いものはいずれその人の生命を脅かす存在なので、未来に向けて最小化していく必要がある。人が幸せになるには、『好きかつ、いいもの』を最大化させることが理想的だ。」
「いくらその人のことを大切に思っていても、悪いものをすぐに否定して取り上げてしまえば、それはただの支配でしかない。」と先輩女性が深く頷いていました。その言葉に、同期も同意の表情を見せていました。
「例えば、君が僕を苦手だという気持ち。それはそれで大切な気持ちなので、それをすぐに間違っていると言わないのも同じ。誤解はいつか解けるし、仕事に支障が出ていない限りは別に悪いものではない。」
彼の言葉に、苦手と思う気持ちが悪いものではないと言われたことに安心し、自分ばかりが敵視していたことが恥ずかしくなりました。
「言葉にすると簡単だけど、意味を理解するのは難しいよね。僕も最初はそうだったし、言われた通りやってみて、しばらくしてからなんとなくわかってきた。気が向いたら試してみるといいよ。」
モテ男の言葉で自分の順番は終わりました。そこからというもの、表向きは適当に相槌を打ちつつ、頭の中では言われた言葉をずっと考えていたので、先輩女性が何を言ったのかすら覚えていません。
要するに、人を大事に思うということは「大切に思っている人が大切に思っているものを大切に思う」ことだという。たとえそれが悪いものであっても、その時はそのまま受け入れてみる。しかし、悪いものはいずれ最小化し、好きかつ良いものを最大化することが理想的だという。
確かにモテ男の行動を見ていると、価値観を押し付けたり、頭ごなしに否定したりすることはありません。まずは相手の言い分に耳を傾け、その上で誤解の根本に目を向けようとしているようです。
その通りに真似しても、彼のようにはなれないと思いつつも、モテ男に対する印象は変わりました。彼は、自分が彼を苦手に思っていても構わないと考えているからです。モヤモヤ気持ちを整理するために文にしてみましたが、結局解消されず…笑
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