新宿

一月三日。息子らと早めの夕食を、新宿で済ませました。

南口の風景は、とても懐かしい思い出が詰まっています。

前職の際、長男は最初、東北が赴任先でした。二日ほどの休みが取れたら、帰省することがありましたが、帰っていく日は、だいたい見送りついでに新宿で夕食をとりました。

南口からJRに乗り、帰ってゆく長男の後ろ姿を、よく見送ったものです。胸が張り裂けそうな気持ちと溢れそうな涙に、堪えながら。

美味しい食事も、美味しくなかったですし、新宿駅のキラキラした賑わいも、私の瞳には映っていなかったと思います。

久しぶりに訪れた南口。ニューマンやビル群が目の前に広がりました。
そして今回は、それまでとは全く違う光景に映りました。

長男が転職を機に、都内在住となったため、確かに独立してはおりますが、遠い遠い町へ帰ってしまうわけでは、もうありません。

その見慣れたはずの風景は、イルミネーションがそのまま私の瞳に飛び込んできましたし、賑やかな年明けのウキウキ感そのものでありました。私の気持ちが、そうだったからに他なりません。

息子らの後ろを着いて歩く私の気持ちは、明るく嬉しいものでした。

食後、少しウィンドーショッピングをして、以前と同じ改札で長男と別れましたが、少しの寂しさがあるだけで、涙のフィルターがかかることは、ありませんでした。

新宿が、再び私の大好きな街へと戻った気持ちです。