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中小企業社長の頭ん中/メーカーになってやる!/脱下請け編②

(続き)
確かに浮上油が回収されていません。。。
でも装置は動いています。。。
少し調整すると、ふたたび浮上油を回収し始めました。

お客さま:「あれ?どうしてなんだ。。。?」
すずき:
「ちょっとバランスが悪かったのかもしれませんね。。。少し様子を見て頂けますか?」
お客さま:「了解。ありがとね。」
すずき:「いえいえ、どういたしまして。」

数日後。。。

お客さま:
「すずきさん!また浮上油回収できてないよ!ちょっといじってみたら、そのときは良くなったけど、少ししたらまた吸わなくなっててさ。
こうちょくちょく止まられたら仕事にならないよ!」

すずき:
「すいません、ちょっとメーカーと打ち合わせて対策を考えます!少々お時間ください。。。」

お客さま:「なるべく早く頼むよ。。。」

そこからメーカーとの話し合い(という名の戦い)が始まりました。
ここでは生々しいやり取りがあるのですが、そこはさすがに割愛します(笑)。

結論としては、
①正しい使い方で使ってもらわないと正しい性能は発揮できない
②回収装置と言っても、完全に取れるという保証をしたわけではない
③一般的には浮上油回収装置というのはそれくらいの回収力で、この装置が悪いわけではなくそちらの要求が高すぎる

というものでした。

最終的には現状の装置をそのまま使用することとなりましたが、我々としては何かしらの対策をしなければなりませんでした。

ここでメーカーの見解を正規の回答としてお客さまに答えることも出来たかもしれません。
ですが、基本的に様々な問題解決をお手伝いしているお客さまですので、終わりの見えない改善活動にお供することになりました。。。
これがメーカーとしてスタートするターニングポイントになりました。

改めて別の回収装置メーカーと打ち合わせたり、様々なトライアンドエラーを乗り越えて、ある解決方法にたどり着きます。(のちに特許を取得)
発明者である創業社長から、その方法を最初に聞いたときにはよく理解できませんでした。
でも試してみるとたしかによく取れるんです。
いろいろと検証してみるととても理にかなった方法でした。

お客さま:
「すずきさん!これすごく良いよ!とっても安定してるし、前よりよく取れてると思うよ!ありがとう!」
すずき:
「いえいえ、色々とご不便おかけしました。なんとかうまく行ってホッとしています」

こうして、お客さまの信頼を得られて、次の仕事に取り組む事が出来るようになり、良かったよかった。。。
で終わってしまうのが普通だったと思います。

我々は完全なる下請中小企業で、大手さん1社からお仕事を頂くことで30年以上会社を存続させてきたので、それが当たり前だと思っていました。

しかし奇しくもその時2008年7月。。。
そうです、リーマンショックの直前でした。

あらゆる仕事がなくなり、我々も大変な状況に陥りました。
お客さまを周り、小さな仕事でもいいのでくださいと声を掛けて回りました。
あの浮上油回収で信頼を得たお客さまにも。。。(続く)

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