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中小企業社長の頭ん中/メーカーになってやる!/脱下請け編④

(続き)
数日後。。。

創業社長:「副社長、俺たち浮上油回収装置のメーカーになるぞ。」

すずき:「え?」

創業社長:「お前はその事業責任者だ。すぐに準備に取り掛かるぞ。」

すずき:
「ちょっ、ちょっとまってください!え?本気ですか?真に受けないでください!
あれはお客様がうちに仕事を出せないから言った思いつきですよ?」

創業社長:
「もちろん本気だ。うちがメーカーになれるチャンスだ。いまがその時だ。」

すずき:
「いまリーマンショックの真っ只中ですよ!チャンスとか言ってないで既存のお客さん攻略について今一度考えましょうよ!」

創業社長:「いやもう決めたんだ」

すずき:「まじっすか?。。。」


かくして、我々はメーカーへの一歩を踏み出します。

商品開発で重要な点は3つありました。

①困りごとがあり解決したかった
 ⇨浮上油を回収したいが、手間をかけたくはない

②満足するような解決方法がなかった
 ⇨不安定な浮上している油を回収するのは難しく、各メーカーは本気でその問題に向き合っていなかった。

③自社でも作れた
 ⇨アイデア勝負だったこともあり、設備業を営んでいた我々としては、色々な非常識なやり方も可能性があれば試してみるという、業界人ではない部分で良い意味の常識はずれな発想で装置を作ることが出来た。

お金も人も不十分な下請け気質の中小企業にとっての商品開発で重要なことは、諦めない気持ちと実際に行動する決意だと今は思います。

困りごとから解決策である商品・サービスが生まれるためには、アイデアだけでもやる気だけでもダメで、実際の問題に諦めずに向き合い、実際に行動していく決意が必要不可欠だとこの体験を持って言えます。

どんな商品・サービスでもいいと思います。

ヒット商品は1番目から生まれるわけではないかもしれません。

ですが、行動した人にしか成果は生まれませんし、経験値が上がることもありません。

そういった動きに中に「商品」が産声を上げて世に出てくるのだと思います。

ただし、その数か月後にはメーカーになるのは簡単だが、メーカーとして食べていくのは困難だと痛感する、メーカー事業の事業部長「すずき」の苦悩がスタートします。

ここから 自立編 が始まります。

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