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AIを使った新しい英単語学習 〜「意味を覚えない英単語学習」のすすめ〜

◾️expect「期待する」と覚えていると。。。

英単語の勉強においては、
「英単語の意味を覚えることが英単語の学習だ」と
思っている方がほとんどかもしれません。
だけど、実はここに大きな落とし穴があるのです。

これは個人的な感触ですが、
「英単語は意味を覚えない」方が
英語学習をスムーズに進められる
のです。

意味を固定して暗記してしまうと、
時として
英文の正しい意味を読み取れなかったり、
伝えたいことを英語で
適切に表現できなかったりする
からです。

例を挙げましょう。

 We expected the worst.

この英文を和訳してみてください。

いかがでしょうか。
どこか違和感を感じませんでしたか?
(もちろん英語がかなり得意な方や
現在仕事で英語を使っている方にとっては
超簡単な英文で
楽に正確な意味を取れると思いますが。。。)

「私たちは最悪な事態を...期待した」って

どーゆーこと?

と多くの方が戸惑われたのではないでしょうか。

この英文の正しい訳は

「私たちは最悪な事態を予想した」

です。

もうひとつ例を出します。

「私は宝くじが当たることを期待していました」

これを英訳してください。
(「宝くじが当たる」win the lottery)

 I expected to win the lottery.

多くの人はこのように
英訳したくなるかもしれませんが、
ここでexpectを使うのは適切ではありません。
(完全に間違いとはいえませんが、
これを使える状況は非常に限られています)

正しくは、

 I hoped to win the lottery.

です。

「え、hopeは「希望する」で
expectが「期待する」じゃないの?」と
思われたかもしれません。
そうです。
多くの方はexpectという英単語を見ると
反射的に「期待する」ということばを
思い浮かべるでしょう。
しかし、仮にそう覚えてていも、
「宝くじが当たる」状況の文脈においては
問題文の中に「期待する」が入っていても
expectではなく、
hopeを使うことが適切なのです。

なぜならば、
expectは「当然そうなるよね」と
ほぼ100%の確信で予想できる場合に
限って使える
ことばだからです。

仮に「ほぼ100%の確率でくじに当たる」と
確信できていたら、
expectを使うことはできますが、
ふつう宝くじに対して本気で
そんな幻想を抱くことはできないはずです。

上記の2つの例からわかることは
expectの意味を「期待する」と覚えていたために
英文の訳が上手くできなかったり、
自分の言いたいことを
適切に英語で表現できなかったりする
ことが
あるということです。

◾️従来の英単語学習の限界

学校では英単語の意味を覚えるよう指導され、
英単語テストではその暗記力が問われてきました。

いま手元にある旺文社から出ている
「英単語ターゲット1800」を見ると
次のように表記されています。

googleでexpectと入力すると
次の画面が出てきました。

このように、expectは「期待する」と
訳されることが多いですが、
これはあくまでも日本語訳であり、
実際のニュアンスはもっと微妙です。

◾️多読による感覚的な理解が大切!

それでは皆さんと同じような教育環境の中で
つまり、同じような英語教育を受けて
英語が堪能になった人、もちろんたくさんいます。
その人たちもexpectを「期待する」と
覚えていたことでしょう。

では、その人たちが今では
英文を正しく理解し、自分の言いたいことを
英語で伝えることができますが、
いったいそれはどういうことなのでしょうか。

それは、たくさんの英語を
読んだり聞いたりしているうちに
最初に覚えた日本語訳にとらわれなくなり、
英単語のある種のイメージが脳内にぼんやりと
できあがってくる
からです。

つまり、expectの意味を
日本語に対応させて丸暗記するのではなく
感覚的に単語の意味を
理解できるようになった
というわけです。

実際、英語を自在に操れる人に
「英語をマスターするために
何が最も役に立ったか」と尋ねると、
「英語の多読が役に立った」と
答える人が非常に多いです。

多くの英文に触れることで、
徐々に辞書的意味を超えた
英単語の使われ方を会得できる
のです。
そうなれば、最初に覚えた日本語訳にとらわれず
自由に読み書きできる
ようになります。

◾️日本語習得の過程が英語学習のヒントになる

この感覚的な理解は
われわれ日本人が
日本語を習得する過程と似ています。

私たちは、日本語の辞書をひいて意味を
一つ一つ確認しながら
言葉を覚えたわけではありません。
むしろ、日常生活の中で日本語に触れ、
その言葉がどのように使われているかを
感覚的に理解
することで、
日本語を習得してきました。

英語学習も同じです。
日常生活の中で英語に触れ、
その言葉がどのように使われているかを
感覚的に理解
することで、
英語を習得しなくてはいけません。
本来は。

だけど、多くの日本人にとって
そのような夢のような環境は与えられていません。
では、どうすればいいのか?
ということですが、
日常的に英語に触れる機会が少ない私たち日本人は、
英単語の意味を覚えるだけでは不十分です。
「どのようにその英単語が使われているか」
具体例に数多く触れる必要があります。

そのために、多読の学習が有益だということなのです。

では、多読をしなくてはいけないのか?
私は本を読むの、苦手なのになあ。
と思われる方も多くいらっしゃるかとおもいます。
だけど、それは過去の話になりつつあります
現在は、AIの進化により状況が一変しつつあるからです。

◾️AIを使った新しい学習方法

最近、注目を集めている
ChatGPTに代表される生成AIを
活用することが鍵となります。
ChatGPTにexpectを使った表現を教えて
とお願いすると
瞬時にたくさんの例を挙げてくれます。
つまり、英文を多読しなければ遭遇できない
さまざまな場面の
expectの使い方を見せてくれる
わけです。

ただ生成AIをうまく使えるようになるためには
適切な質問(プロンプトと呼ばれています)を
投げかけなければ、
期待した通りの答えが返ってこないことが多く、
最初のうちはストレスを感じるかもしれません。
慣れが必要となります。
そこも大きな壁になるかもしれません。

そこで、ChatGPTの使い方に
慣れていない方のために
英単語学習専用の
ChatGPT「英単語フカボリくん」
作成しました。

下記のリンクから入れます。

AIを使った「新しい英単語学習」〜「英単語フカボリくん」の紹介〜

もちろん英文の多読をすることが
重要であることは言うまでもありません。

多読が「鬼」であるとすれば、
フカボリくんはさしずめ「金棒」といったところでしょうか。

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