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外見について触れるのはタブー カナダに来て感じたボディシェイミングのこと

現在、第二子妊娠35週となりました。もう少しで臨月に入ります。お子の推定体重は2182gほど。カナダはカルガリーで、すいかのようなお腹とともに過ごしています。

外見について言われて……

先日、そんな私の姿をカメラ電話越しに見てか、日本の実家に住む家族から「太ったね」とひと言。ギクっとしつつ、きたか、とも。第一子・娘の出産直後、病院まで訪問にきてくれたかたから、まるまるとした私の姿を見て「太ったなぁ」と言われたのも覚えています(しかも複数人)。笑ってごまかしたけど、やっぱり傷つきました。悪気はないのだろうなぁ。

妊娠時でなくても、日本にいると高い頻度で容姿の変化について触れられるように感じます。私だけでなく、たとえばカナダ人の夫の体型が少し変わったとして「以前よりふっくらしたわね」など。

自分にも染みついていた

かくいう私も夫とつきあいはじめたときに、彼の外見について触れたのでした。意図的ではないものの冗談半分のつもりで話していたら、ある日、温和な彼がついにプチギレ。そんなに言わなくてもいいじゃないかと。そうかと、猛反省しました。

カナダに来て実感したのは、近しいまわりの人々が人の外見についてとやかく言わないこと。「ふっくらした」はもちろん、「やせた」も失礼。私のしていたことが、人の体型や外見について伝える、いわゆるボディシェイミングであったと気づきました。ほんと、今考えたら失礼極まりないことです。

どうしてでしょう。小さいころから、「やせている方がいい」とすり込まれて生きてきたように思います。10〜30代はとくに少しでも体重が増加すると、やばいやばい、絶対まわりに太ったと言われる。そして、現に「ちょっとふくよかになったわね」なんて言われるのです。その逆もしかり。やせると「スレンダーになったねぇ」と褒め言葉として言われる。もしかしたら、それは本人にとってはマイナスなのかもしれないのに。

いつも周りにどう見られているのか気にしている。自己肯定感についてよく耳にしますが、自身、なかなかの低さで、染みついたそれを上げるのは大変。自覚してはいるものの、今でも顔を出します。むしろ、自己肯定感をあげなきゃいけないことをプレッシャーに感じたり。でも、気づけただけでも一歩、と今は思っています。

夫の表情から、その心を勝手に妄想することもよくあって、たとえば、髪型を変えたばかりで、マジマジと見られると、「え? この髪型変? 失敗かな」なんて思いを勘ぐって聞いてしまう。もちろんそんなことはなく、「いやいや似合っているよ」と言われて安心する。たびたび「表情から心の中を読み取ろろうとするなぁ」と言われます。もう、本当にどう思われているか気にしすぎ。大事なのは、他人にどう見られているのか、よりも、自分がそれで納得しているか、心地いい思っているか、であるべきなのに……。

自然と出てくるほめ言葉

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少し逸れるかもしれませんが、こちらでテレビコマーシャルを見ていると、まぁ、多様な人たちが出ていること! 人種はもちろん、体型もいわゆる痩せ型のスタイルのいいモデルばかりじゃない。あぁ、そうだよね。これが自然だよね、と。最近、公的な子育てハンドブックをもらってみていたら、子育てしている親のパターン写真が豊富で、男性ふたりのシチュエーションも取り入れられている(写真↑)。ファッション広告も多種多様。人それぞれの選択を尊重しあおう、というメッセージとも受け取れます。

体型については触れられない代わりに、よく声をかけてもらうのが、「そのシューズ好きよ!」「髪型変えたの? 似合ってる!」などの褒め言葉。照れながら、ありがとう。と伝えます。散歩中、見知らぬ人に声がかけられることもあったり。そんな風に、素直に素敵と思ったことを言えるようになりたいな。

太りすぎではなかった⁉︎ 少しずつ変わっていこう

さてそんなこんなで気にしすぎの私。先日、体重が増えすぎているのではないかと担当医に聞いたところ、「あなたむしろ痩せ気味だから、もう少し体重増やして」と言われたのでした。マジかい。勝手に自分で太りすぎだと思って、その姿にげんなりしていたけれど、客観的に見ると痩せすぎ⁉︎ 日本ではどうか知らないけれど、自分の思い込みにびっくりでした。

くり返しになってしまうけれど、もっと自信をもっていい、と心の中でつぶやく日々です。急に変わるのは無理だけれど、まわりの人に対しても、この人の好きなところはどこかなぁと思うようになりたい。たまにまだ、知らずに外見に対してふれていることもあるのかもしれない。反省しつつ、もっとも近い存在の夫に関しては、容姿についてはとやかく言わず。彼自身、何か言わない限りこちらからは何も言いません。あ、その代わり「いいな」と思うことは積極的に伝えるようになりました。

自己肯定感の高い子育て、なんて叫ばれていますが、娘にも容姿については肯定的に捉えるようになってほしいな、そう育てていけたらな、と思っています。みんな違ってみんないい、そうなのだ。

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