見出し画像

ハチワンからのミッシェルとの出会い

ロックンロールが好きだ。

ギター、ベース、ドラムの激しめの演奏にボーカルの魂の叫びが加わるこのジャンルの音楽は、耳から伝わり心臓にまでズシンと響いてくる。ロックがもたらすもの、それは勇気であり、衝動であり、反逆の意思であり、時には平和だったり、はたまた別のロックである。

中学生くらいまでは当たり障りのないいわゆるポピュラー音楽を聴いていたのだが、高校時代から洋楽のロックにハマり始めた。当時ハマっていた『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドの元ネタを知りたいという好奇心だったり、洋ロックを聴けばカッコ良かろう、そして女にモテるだろうというしょうもな理論で展開された下心だったりが聴き始めた理由だろう。しばらくは洋楽一辺倒で、邦楽からは少し離れていた。

そんな異国のロックばかし聴いていた僕だが、大学に入り、やがてしばらく洋楽に目も向かなくなるほど日本のロックへ傾倒することになる。

そのきっかけを作ったのが、このマンガだ。

将棋を題材にしたマンガ、『ハチワンダイバー』。

大ゴマ、ハイテンション、奇抜なセリフを存分に用いたとにかく熱いマンガである。というかこのマンガそのものがロックなのである。読めば分かる。世に出たマンガは数あれど、正直これ以上僕の心に刺さってくる作品に出会うことはないのではなかろうか。

この『ハチワンダイバー』11巻にて登場する、主人公のライバルであり、仲間の一人であるキャラクター、右角ヒサシ。

画像3

(『ハチワンダイバー』コミックス11巻より)

普段はのほほんとした佇まいの優男、なのだが、あることをトリガーに性格が獣のようになり、そして将棋の戦法も超攻撃的に変化する。

それをもたらすアイテムが、この、

画像4

(『ハチワンダイバー』コミックス11巻より)

"ハイタイム"だ。


これを右角が聴くと、

画像3


こうなる。

画像4

(『ハチワンダイバー』コミックス11巻より)

ロックを聴けばパワーアップする・・・なんと厨二病心をくすぐる設定だろうか。カッコ良すぎてマネしたくなる・・・


しかし、ハイタイム、、、聞いたことないアルバムやな。アーティストはミッシェルガンエレファントと言うらしい。90年代に結成された日本のロックバンドか、、気になる。

聴いてみるしかなさそうだ。

当時はまだ音楽のサブスクがそれほどメジャーではなかったため、TSUTAYAで早速CDを借りる。ウォークマンに曲を全て入れ、早速再生ボタンをポチ、、、


ジャジャジャージャッ、ジュクジュ!


ジャジャジャージャッ、ジュクジュ!


ジャジャジャドンドンバンスバドドジャジャジャジャーバーンデデブジャジャドゥーデデバンステテデデドドドジャジャジャドンデンダダダダダダダダダ!!!!!!


か゛か゛えーーこ゛んでーーーいーーた゛ーにーわーて゛ぇーーー


すぐに僕の耳は持っていかれた。日本にこんな濃厚なサウンドを出せるバンドがあったのか、、、プロ棋士になれず病んでいた右角が、ミッシェルを聴いて世界が戻ったように、僕もミッシェルを聴いた後見た世界は以前より輝いて見えた。いやそれは気のせいかも。


僕は良いバンドの条件は、「協調性」ではなく、「個性の渋滞」だと思っているが、まさにこのミッシェルというバンドはそれを体現しているといえるだろう。

ミッシェルの楽曲で特に目立っているのがギターだが、そんなギターを担当しているのが、通称ギターの鬼、アベフトシ。「ミッシェルの曲は、曲が始まってから終わるまで俺のギターソロ」と公言しているように、曲の中でも特に強烈な印象を与えている。特にカッティングの技術に関しては他の追随を許さない。正直僕は耳が肥えている方ではないと思うが、アベのギターは聴いただけですぐ分かる自信がある。どれがアベの演奏でしょうか?と100択クイズ出されてもおそらく分かる。

それに安定感と勢いが混在したリズム隊、ウエノコウジのベースと、モヒカン頭が特徴的なクハラカズユキのドラムが加わる。

そして、声という楽器を奏でるバンドのボーカル、チバユウスケ。他の誰にも持っていないしゃがれた、がなれた、まさにロックンロールを歌うために生まれてきたような声を持つ人間だ。カッコいい、かつ面白い武勇伝も数知れず。現在はドラムのクハラと共に、The Birthdayというバンドで活動している。


ミッシェルに心打たれた僕は学生時代に全てのアルバムを揃え、移動時間にはひたすらミッシェルを聴き続ける日々を送った。そして、90年代の邦ロックをもっと深堀りしたくなり、ブランキー、ナンバーガール、ゆらゆら帝国といったバンドにも出会うこととなる。素晴らしい音楽に出会わせてくれた『ハチワンダイバー』に再度感謝したい。


とここまで参考資料として『ハチワンダイバー』の11巻を取り上げつつ久々に一部読んでみたのだが、、

展開や描写が熱すぎて震える震える、響く響くでもう、いや、しょうがない。語彙力がない・・・

ということで僕が思うハチワンダイバーのベストバウトをいくつか今後の記事でも取り上げていきたいと思います。何かに情熱、熱い思いを持っている人にはぜひ読んでいただきたいマンガです。『ジョジョ』、『カイジ』が好きならハマるかもね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?