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落研よいとこ一度はおいで

どっかで聞いたことあるタイトルやと思ったらまんじゅう大帝国さんの配信番組のパクリみたいになっちゃったね。お二方すんまへん

前回の続きといえば続きになる話

2013年4月、大阪の某私立大学への入学が決定した僕は、あいも変わらずウォークマンで落語を聴いていた。4年間の学生生活いかに過ごすかなんとなく考える。学部の授業、留学、サークル、、、

ん?そういや大学によっては、落語を研究したり演じたりする落語研究会、通称「オチケン」と呼ばれるサークルがあるそうじゃないか。

気になって大学名 落研で検索をかけると、一番上に大学の落研のホームページが出てきた。くくりとしてはサークルではなく部活、それもかつて上方落語界の重鎮ともいえる人が在籍していた、由緒正しそうな部であった。僕は落語大好き少年だよーい、僕が入らなくて誰が入るってんだい。


正直ここに所属することが無ければ、僕の学生生活が思い出空っぽのまま終わっていたかもしれないと考えると、落語を好きになったこと、そして落研に所属したことはある種運命だったのかもしれない。


2013年4月、多分2日。その落研が主催している新入生歓迎用の寄席へと足を運んだ。初めて生で見る落語。普段CDやYoutubeで聴いているものとはまた違った感触でとても新鮮だった。やっているのは学生ではあるものの、各々の演者さんの完成度の高さにとても驚いたものである。

後日、新入生歓迎イベントの定番ともいえる落研の花見に参加。今以上にビビりだったため先輩との会話はかなり緊張したものの、優しい先輩方のおかげで徐々にほぐれていった。その後流れで大学前のカラオケボックスへと移動。3部屋ほど借りて僕の他にきていた新入生、先輩方交えて楽しく歌った。

そしてカラオケのトイレに入った時、ある先輩とすれ違った。


先「新入生楽しんでる?」

僕「あ、はい。楽しいです。」

先「そら良かったわ。この部活、入った方がいいで。マジおもろいで。色んな変なやつがおるからな」


元々入る予定であり、変わりものの人たちが好きだった僕は、この言葉を聞いてとても安心したことを覚えている。

イケメン、高身長、そして爽やかそうな顔立ちという、いかにもモテまくり好青年オーラを醸し出していたその先輩は、そんな変な人たちにまぎれた、いたって真面目かつ誠実な先輩、とその時は思っていた。


そして後ほど知ることになるのだが、


その当時3回生だった先輩は、かつて4回生の先輩のパンツをイタズラと称してフライパンで焼いたことのあるキ○ガイ野郎だったのである。


落研よりぶっ飛んだ個性を持つ集団を現時点で僕は知らない。破天荒のバーゲンセール、個性の渋滞である。大学同士で行っているジョイントでの寄席や、毎年岐阜で2回ほど行われる落研の全国大会を通して、北は北海道から南は九州まで、4年間で数多くの、個性的がすぎすぎる人たちに巡り合うことができた。

2ニート1浪。性的マイノリティ。ヤクザの車のトランクに詰められたことのある元ヤンキー。部室にあるぬいぐるみで突然おままごとを始める巨乳。泥棒。酒を飲んで記憶を失い、朝起きたら家のベッドの隣で全く知らねぇベネズエラ人が寝ていた者。いたずらで友達の家を小便まみれにする者。尊敬する先輩の陰毛を食べる者。路上でちんちんを出す者。そしてそれに感化され路上でちんちんを出す俺・・・なんか下ネタ多いな。笑いも行き過ぎると最終的には下ネタに落ち着くということだろうか。ドキュメンタルと同じ。

上記で挙げたものはごく一部であり、上げようと思えば100は出てくる。他のコミュニティなら「あいつヤバくね・・・?」と引かれうる行為が、落研だと「ワハハ、おもろいなぁ」と許容されるのだ。そしてまた新しい変なやつらが集まってくる・・・

もしも今現在周りから浮いている、というの大学生の方がこの記事を見ているようであれば聞いていただきたい。落研を一度訪れてみてほしい。通っている大学に落研がなくても、インカレのサークルで他の大学の落研に入れる場合もある。別に落語が好きでなくてもいい。先輩や同期がやってるの見てりゃやりたくなってくるだろうし、4年間全く落語せずにヘラヘラしてただけのやつもいる。そして、ここではあらゆるパーソナリティが正義だ。それが、変であればあるほど、常識から外れていればいるほど愛される。


落語ができる機会を提供してくれる組織というだけではない。あらゆる強すぎる個性や特徴、個人の全てを肯定してくれる素晴らしいコミュニティ、それが落研なのだ。


豪州に2年滞在しとるが未だに落研レベルの個性を持った人間には遭遇していない。3年目、もっと濃いのをくれ。

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