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ブロッコリーを傘にする女 を読む男

ブロッコリーを傘にする女。。奇妙な響きですね。
ブロッコリーが大きいのか女が小さいのか。。この不思議な言葉をお題として小説を書く企画が行われました。僕は書いてもないし、企画者でもないし、たまたまお題の挿絵に写真を使ってもらった、ただの読者としてその感想を書きます。

僕は普段小説を読まないし、知り合いのnoterさんってエッセイだったり情報系のライターさんが多いので、まずnoteで小説を読む体験が新鮮でした。そして共通のお題で様々な作品を読んだことでわかったのが、小説書くって壮大な作業だということ。創造的分野として僕に馴染みあるのは写真。写真を撮る時はまず目の前に事象がありますから、これを料理すればいいわけですが、小説って何もないところから始めるじゃないですか。どんな世界で、どんな時代で、どんな登場人物で。その土台を作った上にやっとどんな話か。自由すぎて決めること多すぎて途方もないです。

同じお題で書くという企画で様々な方向性の作品を読む機会をいただいたので小説表現の自由さに慄いく体験でした。


僕が読ませてもらった時点で全29作品。全部読んだ中からお気に入りの作品を紹介します。優劣ではなくて単に僕の好みですので悪しからず。

僕が選んだ作品の共通点はだいたい以下のような感じ。

・ブロッコリーを傘にする女が直接的に登場しない作品。
・シュールなお題を身近な世界観に落とし込んだ作品。
・このお題でなぜこの作品なのか説明的でない作品。
・お題に引っ張られず、お題を自分の作品に引っ張り込んだ作品。

これかなり難しいと思うんですよ。それをさらっとこなしているように読めた作品達がこちらです。


ととさんの作品 はたおりのおと
比喩表現に使われている言葉の選択が好きです。情景の中に、登場人物の心の機微が読み取れました。


碧衣いろさんの作品 ブロッコリーのおいしい食べ方
言葉にしないから溜まっていってしまう心のログを言葉で浮き彫りにするってすごくないですか?え?僕だけ?


千鶴さんの作品 黄色い花の復讐
どちらかというと僕は紫苑側の人間だからこの復讐は怖い。ホラーだ。
復讐のブロッコリーを最後に料理してくれるなんて怖い。怖すぎる!


あきらとさんの作品 言い訳
僕の経験からいうと、写真を撮って公開するって自分の性癖を晒す行為
で恥ずかしいんですけど、小説も同じなのだなと思いました 笑


マリナ油森さんの作品 花咲けブロッコリー
これは大人だ!読後感が爽やか。かといって軽いわけでもない。大人だ!
佐久間も可愛いけど、彼女が可愛い。こういう女性好きです。


智春さんの作品 ブロッコリーを傘にする女
これは身につまされるね。小説って有益な情報を詰め込んだものではないから、中心にあるのは共感なんですね。そこに存在する意味がある。


最後に企画してくださった杉本しほさん ありがとうございました。しほさんが写真を使ってくれたおかげで素敵な作品に出会うことができました。
次回はたぶんブロッコリーとは関係ないお題になると思いますが 笑
また楽しみにしています!


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