【まずこれ読んで】吃音について
こんにちは。ミチテル(@michiteru_)です。
今回は「吃音」についてまとめていきたいと思います。
「吃音」という言葉。
なんとなく聞いたことはある、という方も多いと思います。
実は、発症頻度は低くない。クラスの中でも、自分の子じゃなくても「あ、なんかどもってるかな」と感じるお子さんが一人はいるかもしれない。
このnoteでは、そんな「吃音」について、
・吃音ってなに?
・吃音の原因はなに?
・吃音症状が出たらどうしたらいい?
・おすすめの本
をまとめました。
(インスタグラムにも、本当に簡単な概要を載せた投稿があります↓)
このnoteは、
今まさに「当事者、その家族」である誰かの心に届けたい、という思いで綴りました。
どうか必要な方に必要なかたちで届くことを願っています。
はじめに
私は、言語、言葉のリハビリを専門とする職であり、現在高齢者施設で働いています。
「小児領域(子どものリハビリ)」での勤務経験はないため、実践としての経験値は少ないですが、
子どもの発達やことばについての分野については、もちろんたくさん学習してきました。
が、いざ自分が親の立場になると、
落ち着いて子どものことをみることができない自分がいました。
(ある程度の)専門知識を持っていても、です。
(娘が3歳〜吃音発症。専門家であり、当事者の親の立場です。)
なかなか周りに相談できず苦しんでいるお父さん、お母さん、少なからずいるかもしれない。
私のような、「自分を苦しめる行動」をとる方が、
一人でも少なくなるよう、願いをこめて。
吃音ってなに?
簡単に言うと、言葉に詰まってコミュニケーションがとりにくくなってしまう症状のひとつです。
その種類は大きく分けて3つ
突然起こる《発達性吃音》の好発年齢は3歳前後。
発症後4年ほどで75パーセントが自然回復。
女子に比べて男子に多く、男子の改善率は女子に比べて低い
(男子の方が残る場合が多い)
(あくまで客観的データ。脅かそうとしているわけではないよ)
100人に1人が発症する計算で、結構確率としては高い。
周りに1人くらいいてもおかしくないかな。
吃音の原因と大きな誤解
この《発達性吃音》は、本当に突然吃音症状が現れます。
(あれ、この子、言葉が…どもっちゃってる?どうしちゃったのかしら)
昨日きつく叱ったせいかな?
なにかさみしい思いをさせてしまったのかな?と、
《心の状態》に意識を寄せることはありませんか?
実は、吃音の原因は、体質7割・体質以外3割
7割が吃音になりやすい素質(遺伝子)をもっています。
(7割は)遺伝子レベルで発症する・しないが決まっています。
日本では昔から「原因不明」といわれていましたが、20年も前に有名な「双子の研究」で証明されています。
私が最も主張したいのは、
「育てかたのせいじゃない」ということ。
吃音症状が出たらどうしたらいい?
かかわり方のヒントをお伝えします。
※こちらはあくまで一般的な「吃音のある子へのかかわりかた」となります。
※基本的には、直接専門家に診察、相談されてみてください。(細かいヒアリングや実際に子どもと接して、話し方やその他の状態、親御さんとのかかわりなどを見てみないと、どういった対応が適しているか、詳細は分からず、細やかなアドバイスは行えないためです)
《お子さんの話を聞くとき》
・お子さんの話し方ではなく、内容に注目しましょう。
・話を途中でさえぎったり、途中で質問をしないようにしましょう。
・「話し方」への注意はやめましょう。(「ゆっくりで大丈夫だよ」もNG)
→個人的にはこれ、すごく大切だと思います。(お子さんが自身の吃音に気づいていない場合)吃音の状態が、子どもにとっては「自然」です。
・急がせたり、強制したりしないようにしましょう。
・お子さんが話しかけてきたら、顔を向けて、最後までよく聞きましょう。
※たとえお子さんが話したいことを予測できても、先取りせずに聞いてあげてください。(お子さんが自身の吃音に気づいており、話すことに苦痛を感じているようであれば話は別です)
《お子さんに話しかけるとき》
・ゆっくり話すようにしましょう。(大人側は話し方に気を付ける必要あり)
・短くわかりやすい文で話すようにしましょう。
・やつぎばやに話しかけるのはやめましょう。お子さんのペースに合わせながら、話し終わるのをみて、少し間をおいて話はじめるようにしましょう。
・お子さんの使った言葉をとりいれながら、ゆっくりと反復してあげましょう。
例「今日ね、あ、あ、あ、あの、お、おまま、おままごとしたんだよ」
→「そうなの。おままごとしたのね。○○ちゃんはなんの役やったの?」など
《吃音》おすすめの本
小児領域で働く言語聴覚士の友人に勧めてもらった本を参考に、こちらのnoteを書いています。
菊池良和先生は、自身も吃音であることを公表しており、その経験から来る話もとても参考になります。
本の内容やまとめかたもとても分かりやすいです。
一般向けでおすすめはこちら↓
すこし掘り下げた内容ならこちら↓
また、こちら↓は、まだ私は読めていないのですが、2020年8月発売の本で、比較的新しい本です。支援の内容が濃く盛り込まれていると思われます。表紙の雰囲気からは、とても読みやすそうです!
よければ参考にしてみてください。
吃音よりも目を向けるべきこと
娘と向き合う日々を通して、改めて「子育て」についてより掘り下げて考えてみました。
吃音症状は、続くかもしれないし、続かないかもしれない。
では、吃音が生涯続いたとして、子どもをずっと苦しめるのか?
吃音は、娘の人生の幸不幸を左右するのか?
私がたどり着いた答えは、
起きたことは変えられない
吃音はひとつの個性でしかない
吃音でその子は測れない
吃音があることによって、なにか難しいことはあるかもしれない。でも、
生きることは楽しい、ということを感じてほしい。
子育てで大切にしたいこと
娘の「吃音」から、きちんと「子育て」と向き合いました。
そして今娘に対して、また娘と一緒にできることは、吃音のことのみを考えることじゃないと思いました。
私なりの【子育て軸】をつくることで、そして吃音についての知識を深めることで、娘がどんな変化をみせても、自分の子育て観について、迷わなくなりました。
幼児教育、という視点での書き出しですが、私なりに決めている、【子育ての3つの軸】について書いてある投稿です。
自分が夢中になれることをみつけること。
ことばで何かを伝えることが難しくても、人とかかわることは楽しいということ。
愛されていると感じてもらうこと。
例えば、絵を描くことや工作に夢中な時期。
先生からは「〇〇ちゃんの工作、みんなから人気で、教えてーって集まってきたりするんですよ!」と教えてもらうこともあります。
娘は、絵や工作などの創作活動で表現すること、夢中になることを楽しんでいるし、スラスラと話せなくても、そのモノで伝えることもできます。
コミュニケーションの可能性は無限です。
少し前の私は、「他の子と違うところ」が気になっていたし、
「同じようにできないこと」に目がいっていた。
でも、いまは違う。
ひとりでも遊びを楽しめる、表現力がある、
そこが娘の良いところだと思っているし、
そんな娘の芽を見逃さず、活かしていきたいと思っています。
子どもの目になること。子どもの芽を見逃さないこと
子どもたちは、私が思うより、きっとずっとたくましい。
心配じゃなく、信頼して、子育てを楽しみたいと思っています。
吃音当事者、その家族ではなかったとしても
先に書いた通り、意外と多い確率で吃音症状はあらわれます。
お子さんの保育園、小中学校のクラスに1~2人いてもおかしくないかもしれません。
自分の子どもには症状がなくても、クラスのお友達のなかで吃音になっている子がいるかもしれません。
そういった子どもたち、その親御さんとかかわるなかでも、この吃音の知識やかかわりかたのポイントがあることで、
吃音のある子や、その子のお父さん、お母さんが救われることもあります。
参考になれば幸いです。
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